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競馬

高いレースセンスと鋭い瞬発力を併せ持つブラウンラチェットが2歳女王戴冠へ。米国から鳴り物入りで来日したメイデイレディの評価は?【阪神JF】

三好達彦

2024.12.07

アルテミスSを鋭い脚で制したブラウンラチェット。写真:産経新聞社

アルテミスSを鋭い脚で制したブラウンラチェット。写真:産経新聞社

 12月8日、2歳女王決定戦の阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、芝1600m)が行なわれる。今年は舞台が例年の阪神から京都に替わるが、本レースが牝馬限定戦となった1991年以降、史上初めてのこととなる。

 また、今年はもう一つの初物があって、それは米国調教馬メイデイレディ(米・J.リー厩舎)が参戦すること。追々触れていくが、プレレーティングが最高値の111ポンドを記録している強豪だけに、レースへの興味をより高めてくれそうだ。

 出走馬のキャリアを見ると、最多の6戦が1頭、4戦が3頭、3戦が7頭、2戦が7頭。やはり魅力を感じるのは、実戦経験が少ないなかでポテンシャルの高さを感じさせる走りを見せた馬となるのが2歳GⅠの常である。
 
 まず日本馬だが、これまでのレースを見るなかで、もっともレースレベルが高いと感じられたのは10月に行なわれたアルテミスステークス(GⅢ、東京・芝1600m)だった。このレースは逃げたミストレス(栗東・矢作芳人厩舎)が粘るところを3番手から進んだブラウンラチェット(美浦・手塚貴久厩舎)が強襲。一気に突き抜けるとミストレスに1馬身1/4差をつけて圧勝し、外へ持ち出したショウナンザナドゥ(栗東・松下武士厩舎)がアタマ差の3着に飛び込んだ。

 このレースは中盤のラップで12秒6、12秒5を記録しているようにやや緩んで、上りの勝負になったため、レースの上がりが33秒6という激しい叩き合いになった。そのなかで、前に付けながら逃げたミストレスを0秒5上回る33秒3という上がり時計を叩き出し、後続を0秒2突き放したブラウンラチェットの強さがひと際目立つ。

 同馬は新馬戦(中山・芝1800m)でも最速の上がりを記録して3番手から抜け出しており、高いレースセンスと鋭い瞬発力を併せ持っていることは明白。キャリア2戦という戦歴の少なさも上積みの期待値を上げるベクトルに働くはずだ。ちなみに本馬(父キズナ)の半兄は米G1のケンタッキーダービー、ブリーダーズカップ・クラシックをともに3着としたフォーエバーヤング(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール)。血統面の魅力も十分である。よって本馬を主軸に推したい。
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