競馬

アルマヴェローチェが来春クラシック戦線に堂々と名乗り。16着大敗のブラウンラチェットは致命的な“馬体減”が痛手【阪神JF】

THE DIGEST編集部

2024.12.10

アルマヴェローチェが2歳女王に輝いた。写真:産経新聞社

 12月8日、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、京都・芝1600m)が行なわれ、単勝5番人気のアルマヴェローチェ(栗東・上村洋行厩舎)が中団から鋭く抜け出して快勝。鞍上の岩田望来騎手は初めての、上村調教師は大阪杯(ベラジオオペラ)に次いで2度目のGⅠ制覇となった。2着には後方から追い込んだ8番人気のビップデイジー(栗東・松下武士厩舎)が入り、3着には先行したテリオスララ(美浦・田島俊明厩舎)が粘り込み、3連単は22万7500円の波乱となった。

 一方、オッズ3.4倍の1番人気に推されたブラウンラチェットは中団の後ろ目を追走したまま16着に沈み、名手ランフランコ・デットーリ騎手を背にアメリカから参戦した4番人気のメイデイレディ(米・J.リー厩舎)も先行したものの伸びを欠いて13着に敗れた。

 メインレースを迎える前の第9、第10レース前後に時ならぬ小雨が降った。量は少なかったが、開催終盤で傷みかかっていた京都の芝馬場、特に内から3~4頭分ほどのスペースはこの降雨によって変化が現われたようで、レース後は複数の騎手から「馬場が緩かった」「踏ん張れていなかった」とのコメントが出ていた。少なからぬ影響が出ていたようだ。
 
 レースの機先を制したのはミストレス(栗東・矢作芳人厩舎)で、それに競りかけるように武豊騎手が手綱をとるリリーフィールド(栗東・小崎憲厩舎)が追走。2番人気のショウナンザナドゥ(栗東・松田武士厩舎)が積極的に3番手、米国のメイデイレディが5番手を進んだが、他の有力馬は中団より後ろにポジションを取る。ブラウンラチェットは11番手付近、3番人気のコートアリシアン(美浦・伊藤大士厩舎)は16~17番手に位置した。

 1000mの通過ラップは58秒5。時計がかかるようになっている京都の馬場状態を考えると、やや速い流れだ。

 後続馬もスピードを上げて差を詰めながら向けた直線。先行策をとったショウナンザナドゥが外から先頭をうかがい、インからはテリオスララも脚を伸ばすが、そこへ馬体を併せるように伸びてきたのが中団の後ろ目から外に進路をとったアルマヴェローチェとビップデイジー。その競り合いではアルマヴェローチェの切れ味が勝り、ビップデイジーを1馬身1/4差突き放して快勝。先に仕掛けて出たテリオスララとショウナンザナドゥが遅れた3、4着で入線した。
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マイル戦にも見事に対応したアルマヴェローチェ