バレーボール

ペルージャ石川祐希、驚異のアタック決定率89%を記録し今季通算5回目のMVPに! 垂水優芽との日本人対決も実現

THE DIGEST編集部

2025.01.09

チームの勝利に大きく貢献し、MVPを獲得した石川。(C)Sir Susa Vim Perugia

 現地時間1月5日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガで2024-2025シーズンの後半第4節が行なわれた。男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ ヴィム・ペルージャは、垂水優芽を擁するチステルナ・バレーとアウエーで対戦。セットカウント3-0(25-11、25-20、25-23)の完勝でリーグ15戦全勝を守り、新年をスタートさせた。

 ペルージャは年末に行なわれたコッパイタリア準々決勝で、モデナを相手にストレート勝利を収めて4強入り。その試合で開始からコートに立ったアウトサイドヒッター(OH)石川は、アタック、エースとブロックで得点を呼び込みセット先取へチームをけん引するも、2セット目にレセプションで痛恨のミスが続き、途中交代を余儀なくされた。

 それから5日後、観客動員最多記録を更新(3,311人)した敵地で臨む一戦に再び先発起用された石川が、第1セット序盤にサーブで魅せる。強烈な打球で相手の守備にプレッシャーをかけた後、自らのディグと2段トスでまずは2連続ブレークを演出。さらにエースを叩き込むと、なんとかサイドアウトにこぎつけたいチステルナが垂水を後衛に投入。前半戦で叶わなかった両日本人選手の、ネットを挟んでコートに立つ瞬間が実現した。

 垂水はエースを許した後、次のレセプションをなんとか上げ切るも、石川が強烈なバックアタックでラリーに決着。初の直接対決で、イタリア百戦錬磨の同胞から手痛い洗礼を受けることとなった。6連続ブレークの起点となった背番号14の活躍で大量リードを手にしたペルージャは、そのまま危なげなく試合を先行。石川は、コッパ戦で課題を残したレセプションも、チーム最多9本を受けてエラーはゼロ、成功率(A+Bパス)63%をマークして見事に修正してみせた。

 ペルージャは第2セットも開始早々に握ったリードを順調に広げる。攻撃でも好調を維持した石川は試合開始から放ったアタック11打すべてを百発百中で得点に変えて、チームをセット連取へけん引。第3セットはチステルナに粘られ、中盤から追いかける展開が続いたが、そこでも石川のサーブが3連続ブレークを呼び込み、逆転に成功する。

 以降、僅差のリードで迎えた終盤、OH対角のポーランド代表カミル・セメニウクがエース1本を含むサーブで相手のミスを誘発し、22-18。終盤に入り、奮闘する相手に2回にわたりマッチポイントを回避されるも、石川のライト攻撃でラリーをものにしたペルージャが15連勝を飾り無傷のまま新年をスタートさせた。
 
 石川は、両チーム最多の19得点(アタック17、エース2)に加え、驚異のアタック決定率89%を記録してMVP(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。レギュラーシーズンでの同賞獲得は、昨年11月の前半8節グロッタツォリーナ戦に続く4回目。スーペルコッパを含めると、今季通算5回目の受賞となった。

 この日、先に試合を終えたチヴィタノーヴァ所属のイタリア代表OHマッティア・ボットロが、石川について言及。最多得点を挙げて勝利したヴェローナ戦後に同国公営放送『Rai2』のインタビューで、「模範にしている海外、またはイタリアの選手は?」と問われ、こう回答している。

「僕が惚れ込んでいるのはイシカワ。彼はすべてを兼ね備えたプレーヤーだからね。ユースからトップリーグへ初参戦したシーズンにパドヴァでチームメートだった。僕にとっては彼が(スーペルレーガで)一緒にプレーした最初のOH。当時はとにかく彼を観察したよ」

 昨年に、出会った時の石川と同じ24歳を迎えたボットロは、イタリアで10シーズン目を送る日本人選手の名前を挙げた理由を、「中堅と呼ばれる年齢に入っても、彼は毎シーズン成長し続けている」と説明した。

 途中交代でベンチへ下がったコッパ戦後にすぐさまMVP。決して立ち止まることのない石川は、パリ五輪で死闘を繰り広げた相手国の選手をも魅了しているようだ。

 首位ペルージャの次戦は、レギュラーシーズン後半第5節(日本時間1月13日午前2時開始予定)。2位イタス・トレンティーノをホームに迎えてリーグ頂上対決に挑む。

構成●THE DIGEST編集部

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