プロボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一王者・井上尚弥が１月22日に神奈川・横浜市内で記者会見を開き、同24日に東京・有明アリーナで行なわれるWBO同級11位キム・イェジョン（韓国）との防衛戦に向けて意気込みを語った。
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　決戦まで２日後に迫った。井上は所属する大橋ジムの大橋秀行会長とトレーナーである父・真吾さんを伴って登壇。白いジャケットにサングラス姿で威風堂々と登場した無敵のモンスターは引き締まった表情で「２度の試合中止により１か月ずれて（調整が）狂ったが、このトレーニング期間で思ったのが長期で体を仕上げるのはプラスだった」と切り出し、予想もしないスケジュール変更は大きな収穫だったと前向きに振り返った。

　当初は昨年12月24日にIBF、WBO世界同級１位サム・グッドマン（オーストラリア）と対戦する予定だったが、同選手が最終スパーリングで左目上を裂傷するアクシデントが起こり興行が１か月延期となった。仕切り直しで鍛錬を積んでいた井上陣営だったが、今月11日にグッドマンが母国でのトレーニング中に再び同箇所を負傷し、試合を棄権すると連絡を受けた。この報告を受けて大橋ジムは迅速な対応をみせ、グッドマンのリザーブ選手として契約を結んでいたキム・イェジョンを急きょ代役挑戦者に立てた。

　４団体統一王者として迎える３度目の防衛戦。紆余曲折を経て辿り着いた試合を「最大限のパフォーマンスをする。期待して見てほしい」と言葉に力を込めた。初めて闘う韓国人ボクサーの印象を「スイッチヒッター」と評しつつ、「自分の25年のボクシングキャリアを出していきたい」と慢心は一切なく、全力で叩きつぶすと表明する。
  　プロ通算戦績は井上が28戦28勝（25KO）、キム・イェジュンは25戦21勝（13KO）２敗２分け。下馬評では実績で勝る井上が圧倒的有利だが、キムは日本人相手に過去７戦７勝の勝率100%をマークする"日本人キラー”ぶりで油断は禁物。韓国のボクシング界では10年ほど世界王者が誕生しておらず低迷期に入っており、井上から大金星を奪おうと並々ならぬ覚悟で臨んでくるはずだ。

　試合はNTTドコモの映像配信サービス『Lemino』で独占無料生配信する。2025年、無敵のモンスターがいよいよ始動する。

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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