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初戦黒星発進のロコ・ソラーレ。首都圏初開催アリーナゆえの戸惑い「氷上のゴミが噛みやすい」「ちょっと癖のある部分が…」【日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.02.03

初戦黒星スタートとなったロコ・ソラーレ。スキップの藤澤はアリーナゆえの環境について私見を述べた。(C)JCA/H.IDE

 痛恨の黒星を喫した。

 2月2日、神奈川・横浜BUNTAIで開幕したカーリングの日本選手権は女子の1次予選リーグ初戦が行なわれ、2022年北京五輪銀メダリストのロコ・ソラーレが前回準優勝の北海道銀行と対戦し、5対7で競り負けた。試合直後、選手たちは氷やストーンについて感覚のズレを口にした。
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 3大会連続の五輪出場に向け、ロコ・ソラーレにいきなり試練が訪れた。前半は両チームとも1点を取り合う、まさに一進一退の展開。緊迫したゲームが続いていたが、後半の第6エンドで思わぬアクシデントが起こった。

 ロコ・ソラーレはリードの吉田夕梨花の1投目がライン手前で急激に失速。有効的なコーナーガードとはならず、ストーンが滑る間に氷上のゴミが絡まってしまった(通称「かむ」)。結局このエンドは1点を失い、3対5と2点ビハインドとなった。

 後半はショットが冴える北海道銀行が主導権を握り、ロコ・ソラーレは劣勢を強いられる。第8エンドは北海道銀行のストーンがハウス内の中心部に2つ置かれて、あわや大量失点のピンチだったが、スキップの藤澤五月がミリ単位の僅かな隙間を射抜くスーパーショットで最少失点にとどめた。

 しかし、相手に傾いた流れを引き寄せることはできず、ロコ・ソラーレは惜しくも接戦を落とした。
 
 試合後、取材エリアに現れた藤澤は「結果は負けてしまったが、試合の内容的には悪くなかった」と悲観はしておらず、「本当にちょっとの展開の部分で、作戦的にもうちょっとできたかなという部分があった。そこをもう一回しっかりと確認し直して、自分たちのやりたいように持ってくような形ができれば」と修正点を分析しつつ、前を向いた。

 一方で、カーリング専用アリーナとは違う異質な環境には戸惑いを見せた。

「私たちの使っていた石がちょっと癖のある部分があった。相手もそうなんですけど、結構ゴミでピックしてしまった部分が何回もあったので。それはどちらかというと、アイスアリーナの気を付けなければいけない部分のひとつでもあるので。作戦の部分と、できるだけピックしないように(次戦は)気を付けていきたい」

 他のメンバーも同様だ。吉田夕は「石がかんだのは要警戒。石の裏にエッジがあって、ゴミが噛みやすい」と振り返った。第3エンドで好ショットを連発したサードの吉田知那美は「何より大事だったことは、勝っても負けても大きな情報を取ることだった」と話し、「今日でさっちゃん(藤澤)と私と夕湖は厄年が終わった(笑い)。明日から(ストーンは)かまないと思います!」と手痛い一敗にも笑顔を振りまき、明るい表情で会場を去った。

 今大会は史上初となる首都圏開催であり、より多くの人がカーリング観戦に行くことができる環境を目指し、専用施設がない多目的アリーナに特設リンクを設置した。チケットは全日完売となっており、大会初日は約2000人の観客が熱戦を見守った。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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