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「人工知能の審判員」Xゲームズ、今後採点にも影響か…初導入のAI技術に米スノーボード専門誌は懐疑的「私たちに不気味なロボットは必要ない」

THE DIGEST編集部

2025.02.03

AI技術を試験的に導入した女子スーパーパイプで金メダルに輝いたクロエ・キム(アメリカ)。人工知能の活用には米スノーボード業界から賛否が続出している。(C) Getty Images

AI技術を試験的に導入した女子スーパーパイプで金メダルに輝いたクロエ・キム(アメリカ)。人工知能の活用には米スノーボード業界から賛否が続出している。(C) Getty Images

 1月25日(日本時間24日)に米コロラド州アスペンで行なわれた世界最高峰の国際大会『Xゲームズ』で、Google Cloudとのコラボで開発された新たなAI技術「The Owl AI」を初導入。その可能性を披露し大きな話題となったが、米スノーボード専門誌は懐疑的な意見を発信している。

 今大会のスノーボード・スーパーパイプにて試験的に導入された新技術は、人工知能の審判員として競技者の分析と審査を行ない、さらに解説者として動作を説明する機能も搭載している。現段階では、直接的に採点結果には影響しないが、今後は実際の審判員(採点に影響を及ぼす)としての導入が検討されている。

 同AI技術に対して、大会終了後に米スノーボード専門メディア『SNOWBOARDER』は「人工知能...など、今回のXゲームは一味違った」と題した記事のなかで「人工知能を使ってライダーの走りを判断するのは一つだが、奇妙なAIの声を使ってその走りについてすべてを伝えるのは別のことだ」と指摘した。
 
 さらに同メディアは「解説者としてクレイグ・マクモリス(3大会連続五輪メダリストのカナダ人ライダー)は業界トップクラスだ。ユーモア、歓喜、悲痛のバランスを取り入れながら完璧にこなすことができる。私たちに不気味なロボットは必要ない」と記し、人工知能による解説に苦言を呈した。

 大会前、人工知能による新技術を導入したXゲームズCEOのジェレミー・ブルーム氏は「これが審判員の横に置かれるツールになるのが目標だ。つまり、4人の審判員と、人工知能の審判員(実際の審判員)がいるということです。あるいは、審判員がトリックを正しく見ているかを確認するために、審判員が操作できるテクノロジーになるかもしれません」と米メディア『USA TODAY』の取材で語っていた。

 スポーツにおける人工知能の導入は、Xゲームズだけではない。セリエA(イタリア)やラ・リーガ(スペイン)など一部のサッカーリーグや、MLBの傘下リーグ、などではAI技術が活用されている。今後、人工知能によるスポーツの分析がどこまで進化し、実用化されていくのか、議論は続きそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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