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わずか1ミリ差での決着――。五輪出場の道が途絶えた男子ロコ・ソラーレに“マリリン”が誇りを持った「ロコの絆」「女子チーム奮起の意図」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.02.11

決勝に進出したロコ・ソラーレは敗れ、五輪出場の可能性が消滅した。(C)JCA/H.IDE

決勝に進出したロコ・ソラーレは敗れ、五輪出場の可能性が消滅した。(C)JCA/H.IDE

 カーリングの日本選手権は2月9日に男子決勝が行なわれ、SC軽井沢クラブがロコ・ソラーレを7対5で破り、2年ぶりの優勝を果たした。9月に北海道・稚内で開催される2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の日本代表候補決定戦の出場権を獲得した。その裏で敗北に肩を落とすロコ・ソラーレの選手たちに、“マリリン”という愛称で列島に親しまれたカーラーはチームの確かな成長に目を細めた。

 初の頂点に、あと一歩届かなかった。ロコ・ソラーレは1点ビハインドの最終第10エンド、自軍と相手のストーンが中心部近くに置かれた状況でスキップの前田拓海が投じたラストショットは相手のナンバー1を弾けず。最後はメジャー計測する際どい勝負となり、結果は赤色ストーンのSC軽井沢クラブに軍配が上がった。

 わずか数ミリ単位での決着。勝った軽井沢の大黒柱・山口剛史は泣きながら天を見上げ、「うわああああ!」と絶叫。他の選手たちも号泣した。一方、ロコ・ソラーレの選手たちは健闘の握手を交わすも、残酷な結果を受け止めきれず呆然と立ち尽くしかなかった。
 
 試合後、山口によれば「1ミリはあったと思う。でもちょっとの差」と証言するほど、最後は紙一重の差が勝敗を分けた。スタッフ席から見守っていたロコ・ソラーレの創設者で2006年トリノ、10年バンクーバー五輪に出場した本橋麻里さんは開口一番、「すごい成長してくれています。本当に大きく感じています」と母親のようにしみじみ語りながら、愛する選手たちを称えた。

 氷上だけではない。作戦に対して自主的な会話も増えており、「本当にこの1週間はコーチとも試合前に、『本当にたくましくなったね』って話をしていたので、決勝に来れたことも選手たちにとってはプラスしかないです。去年は3位になって、たっくん(前田)が『今年は2位で申し訳ない』と言うのは全然違う」と急成長を遂げたチームに確かな手応え。「来年は、これが意味ある負けだったと言えるようにしていきたい」と大舞台でのリベンジを誓う。
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