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角田裕毅が昇格で直面する“試練”を元F1ドライバー指摘「ユウキはあのマックスと戦っている」「期待される役割をこなすのに時間がかかる人もいる」

THE DIGEST編集部

2025.04.08

トップチーム昇格デビューレースを終えた角田。(C) Getty Images

 元F1ドライバーのジョニー・ハーバート氏が、今季レッドブルに緊急昇格した角田裕毅の実力と成長を称賛し、今後のレースで角田に求められるものを語った。

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 専門メディア『MOTORSPORT WEEK』によると、ハーバート氏はかねてから角田を評価しているという。「レッドブルが決定を下す前に、私は『ユウキ、ユウキ、ユウキ』と繰り返し推していた。素晴らしいパフォーマンスを発揮していたからだ」と語った同氏。「ユウキには(レッドブルに乗る)資格がある。いつも見ていてとてもエキサイティングなんだ」と角田が昇格にふさわしいドライバーであると説いた。

 また、角田の最も改善された点として「一貫性」をあげたハーバート氏。「ユウキのレースペースは少しばらばらだった。ヘルムート・マルコ氏(レッドブルアドバイザー)も1年か2年前に指摘していたはずだ」と振り返りつつも、「しかし、それも改善された。だから(トップチームの)シートにふさわしいと思うよ」と太鼓判を押す。

 日本GPでレッドブルデビューを果たした角田は予選Q2でミスを犯し14番グリッド。入賞を狙って臨んだ決勝ではレースの特性上、追い抜きが非常に難しかったため、順位を大きく上げられず12位でレースを終えた。ポールトゥウィンで圧巻の走りを披露したチームメイトのマックス・フェルスタッペンとは成績としてみると大きな差をつけられた。

 ハーバート氏は角田のドライバーとしての「とてつもないエネルギー」を称賛する一方、今後はそれがより多く要求されると指摘。その理由は、隣にいるのがフェルスタッペンであるためだといい、以下のように話していた。

「ユウキはあのマックスと戦っているんだ。マックスだけには限らないが、アイルトン・セナ(元マクラーレンほか)やナイジェル・マンセル(元ウイリアムズほか)、ルイス(・ハミルトン/フェラーリ)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)など、(歴代のスーパースターは)いつも特別な何かを持っている。苦境に立たされた時、どこかしらからコンマ数秒(のタイム短縮できる部分)を見つけられるんだ」

 そして、移籍による1番大きな変化については「期待」だとし、「中団チームは家族的で良い環境だし、勝利も表彰台も要求されない。でも、トップチームに入れば、表彰台が求められるし、マシンが十分に良ければ、勝利だって期待される」と説明し、「プレッシャーはまったく異なる。それはユウキにとっても試練になる。リアムの時もそうだったが、上手くいかなかった」とコメント。以下のように続けた。

「ルイスやアイルトン、マックスのように、飛び込んですぐに結果を出せる人もいる。けどみんながそうじゃない。期待される役割をこなすのに少し時間がかかる人もいる。そういう難しさもF1なんだ。フェアじゃないけどね」

構成●THE DIGEST編集部

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