今年３月にフィギュアスケートの世界選手権で初優勝を飾った米国のアリサ・リウがセントルイス・カーディナルス対ピッツバーグ・パイレーツ戦の始球式（現地５月７日）に登板し、マウンド上で華麗なダブルアクセルを披露。球場から驚きの声が上がった。
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　19歳の世界女王が観衆の視線を釘付けにした。アリサ・リウは「LIU」と記されたカーディナルスの背番号26のユニホーム姿でマウンドに上がった。注目の第一球、彼女はクルッと勢いをつけながら、前で踏み切り鋭い回転をみせる。マウンド上で見事なダブルアクセルを降りたあと、捕手を務めたカイル・レーヒーに向かって勢いあるボールを投げた。

　来年１月の全米フィギュアスケート選手権の開催場所がセントルイスに決まったことで、実現した今回のセレモニアルピッチ。球団マスコットキャラクターであるフレッドバードがマウンド付近で１回転をみせると、自身初の大役を終えたアリサ・リウは笑顔でハイタッチ。観客からの拍手に手を振って応え、マウンドを降りた。

　このダブルアクセル始球式は米国内で話題に上がり、米放送局『NBC』の五輪チャンネル、さらにはカーディナルスの公式インスタグラムにも動画が投稿され、コメント欄には「素晴らしいピッチング」「これはスゴい！」「笑顔が素敵」「アリサはなんでも器用にできるのね」といった称賛が多く寄せられた。
  　アリサ・リウは13歳だった2019年に史上最年少で全米選手権を制覇。フィギュア界から「天才少女」と呼ばれるほど、ジュニア時代から脚光を浴びる存在だった。その後も着実に実績を積み重ね、22年の北京五輪は７位に入賞したが、その約１か月後に現役引退を電撃発表するも、翌年３月に現役復帰を突然発表。今季は復帰シーズン１年目ながら米ボストンで開催された世界選手権でショート、フリーともにパーフェクト演技をみせ、坂本花織を逆転して初の頂点に輝いた。

　愛嬌ある笑顔と華麗なスケーティングは日本のファンからも人気は高く、４月に東京体育館で開催された世界国別対抗戦では米国代表として来日。女子エースとして、フリーでは自己ベストを更新する150.97点をマークし、米国の２大会連続優勝に貢献する活躍ぶりだった。

構成●THE DIGEST編集部

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