プロボクシングのWBC・IBF世界バンタム級王座統一戦が６月８日、東京・有明コロシアムで行なわれ、WBC世界同級王者の中谷潤人が６回TKOでIBF世界同級王者・西田凌佑を下し、２団体王座統一に成功した。西田が７回開始前に右肩の脱臼で棄権。壮絶な打ち合いは予想外の形で決着が付いた。

　中谷が序盤から積極的な打ち合いを仕掛け、それに西田も応えた。両者はリング中央で鋭いパンチを何発も応酬。中谷の強打を受け続けた西田の右目は徐々に大きく腫れ上がり、IBF王者の視野を狭めた。

　ギアをさらに上げた中谷は豪快な左フックや、距離を詰めてからのアッパーなど多彩な攻撃で西田にダメージを与える。中谷は情け容赦ないラッシュを継続。強烈な左ストレートが西田の顔面を何発も捉え、勝利を手繰り寄せた。

　激闘を制した中谷は世界戦10連勝を成し遂げ、2015年４月のプロデビューから31連勝（24KO）。驚異的な記録を伸ばし続けている。
  　無敗の日本人王者同士の統一戦には海外メディアからも熱い視線が注がれている。1922年に創刊された米ボクシング専門誌『The Ring』は「激しい序盤、攻撃的な中盤、そして負傷者を招いた終盤で、リョウスケ・ニシダは打ちのめされてリングを去った」と試合内容に言及。リングサイドで世界スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥が観戦していたことに触れ、「ジュント・ナカタニと、ナオヤ・イノウエのメガファイトが一歩近づいた」と記し、“モンスターvsビッグバン”のドリーム対決に大きな期待感を寄せた。

　井上は試合後、自身のXを更新。「スーパーバンタム級戦線へようこそ。こんな強い日本人がいたらワクワクしちゃうよな」と記し、来年５月の対戦を約束している中谷に向けたとされるメッセージを送った。一方の中谷は「僕も井上選手が強いのでわくわくします」と笑顔で話し、早期のスーパーバンタム級転向を示唆した。

　世界中のボクシングファン垂涎の超メガマッチ実現へ、可能性は高まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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