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陸上

日本国籍取得フロレス・アリエが突然の報告「実は次の大会から...」 取材ゾーンは一時騒然に「新しい自分を見せる」【日本選手権】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.07.06

日本国籍を取得したフロレス・アリエ。初の大舞台は3位で終えた。写真:永島裕基

日本国籍を取得したフロレス・アリエ。初の大舞台は3位で終えた。写真:永島裕基

 9月に開幕する東京世界陸上の代表選考会を兼ねた日本選手権(国立競技場)は7月5日に女子400メートル決勝が行なわれ、21歳のフロレス・アリエ(日体大3年)が53秒31の3位。初出場の大舞台で表彰台に立った。レース直後には報道陣に驚きの発表をした。

【画像】日本国籍取得し挑んだ大舞台!日本選手権女子400m初出場のフロレス・アリエを特集!!

 優勝した5月の静岡国際で日本記録を0秒04上回る51秒71をマークし、大きな注目を集めたフロレス。当時はペルー国籍だったため、日本記録は認められず。6月に日本国籍を取得し、本大会への出場が可能になった。

 初の決勝は6レーンでスタート。前回女王の松本奈菜子を追いかける展開になり、勝負の後半へ。横一線でラストの直線に入ると、フロレスは最後の力を振り絞るも伸びきれず。5レーンの中尾柚希が抜け出したが、最後の最後でアウトコースの寺本葵が逆転勝利。フロレスはなんとか表彰台を確保する意地を見せた。

 4日の予選直後には先月の練習中に他の選手と激突し、右手の人さし指の骨にヒビが入ったことを告白。さらに風邪で体調を崩すなど、コンディションは万全ではなかった。「風邪や骨折もあって余裕もなく...いつもよりメンタルがやられていた」と振り返るも、「やっと終わったという解放感が半端ない!前半に頑張って、後半はつぶれてもいいかなと思った」と明るい口調で笑い飛ばした。

 今大会には初めて家族を呼んだ。「自分にとって、すごく特別な大会。半分楽しみ、半分プレッシャーも感じる中での大会だったんですけど、2日間やり切れたことは自分にとって大きな成長です」と前向きに捉えている。
 
 取材ゾーンでは大勢の記者から質問を受けた。一つひとつ丁寧に笑顔を交えながら答えると、「実は...」と自ら切り出し「次の大会から名字を変えます!」と突然の報告。現場は「えっ...!?」と一時騒然に。「言って大丈夫なの?」と確認すると、「オーケーです! 青木アリエで、やらしてください。家族の名字から取ってます。お姉ちゃんが帰化していて『青木』なので、そのまま自分も。お父さんの家族に『青木』がついていたので」と説明した。

 世界陸上には男女混合1600メートルリレー代表の選考基準記録(52秒30)を突破しているため、代表入りは有力。「次のレースから名字が変わるので。新しい自分を見せたい」と声を弾ませた。

 無限の可能性が広がる21歳のランナーに今後も注目だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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