3頭すべてが争覇圏内の能力を持つ日本馬だが、内枠有利の傾向が強いロンシャンの2400mにあって、3日に決まった枠順が明暗を分けた感がある。
一番の注目を集めるクロワデュノール(牡3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)は、前哨戦のプラスドランジュ賞(G3)を余裕残しの状態で勝利し、ひと叩きされた効果で見込み通りに状態はアップしているようだが、大外の17番枠を引いたのが痛い。前目のポジションを取りたいだろうが、この枠順で思ったような競馬をするのは極めて難しくなった。あとは陣営がどのような策を取るか、そしてクロワデュノール自身がどれだけ成長した走りを見せるかに注目だ。
フォワ賞(G2)で昨年の凱旋門賞4着のソジー(牡4歳/A.ファーブル厩舎)を差し切って一気に評価を上げたビザンチンドリーム(牡4歳/栗東・坂口智康厩舎)も外目、15番枠からのスタートとなったのはやはりマイナス材料。ただし、レッドシーターフハンデキャップ(G2)で豪快な捲りを決めた経験があり、前走のフォワ賞でも直線勝負で優れた決め手を見せている。継続騎乗のオイシン・マーフィ騎手のアシスト次第で大駆けがあっても驚けない。
前2頭とは逆に、4番という好枠を引き当てたのはアロヒアリイ(牡3歳/美浦・田中博康厩舎)。相手関係がラクだったとはいえ、逃げて突き放して2着に3馬身半(0秒5)もの差を付けたギヨームドルナノ賞(G2)の勝ち方は圧巻の強さだった。ただしこれは平坦なドーヴィル競馬場でのことで、アップダウンが激しくクセが強いロンシャンの馬場でどんな走りができるかは未知数。重賞勝ちはギヨームドルナノ賞が初めて。それでも2012、13年と2年連続2着したオルフェーヴルを母の父に持つこの馬への期待を止めることはできない。
さて、ここまで取り上げた5頭を筆者なりに、枠順も考慮したうえで順位付けするならば、次のようになる。
◎ アヴァンチュール
○ ビザンチンドリーム
▲ クロワデュノール
△ ミニーホーク
△ アロヒアリイ
続けて、その他の注目馬もピックアップしていこう。フォワ賞でビザンチンドリームに競り負けた地元のソジーは昨年の雪辱に燃えている。ロンシャン競馬場はG1レース3勝を含む〔5・1・0・1〕と大の得意で、道悪も難なくこなす。本番前のひと叩きで状態が上向いていれば馬券圏内突入も十分に有り得る。
ディープインパクトの直仔で仏ダービー馬スタディオブマン産駒のカルパナ(牝4歳/A.ボールディング厩舎)はG1勝ちが英チャンピオンズフィリーズ&メアズステークスのみだが、全12戦が3着以内という無類の安定感を示している。
そのしぶとさは牡馬との混合戦でも発揮され、今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)でも勝ったカランダガンから1馬身差の2着に健闘。タタソールズゴールドカップ(G1)でも勝ち馬ロスアンゼルス(牡4歳/A.オブライエン厩舎)から1馬身半差の3着に食い込んでいる。道悪も得意としており、混戦になった場合に浮上するのはしぶとさを売りとするこのタイプで、マークを怠れない1頭である。
日本の競馬ファンが注目する凱旋門賞の発走は5日の深夜23時05分。ロンシャンから届く吉報に期待したい。
文●三好達彦
【動画】日本馬3頭が出陣! 凱旋門賞の参考レース
【名馬列伝】記憶にも記録にも残るステイゴールド 海外では無敵、種牡馬として脚光浴びた“小さな暴君“の黄金旅程
一番の注目を集めるクロワデュノール(牡3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)は、前哨戦のプラスドランジュ賞(G3)を余裕残しの状態で勝利し、ひと叩きされた効果で見込み通りに状態はアップしているようだが、大外の17番枠を引いたのが痛い。前目のポジションを取りたいだろうが、この枠順で思ったような競馬をするのは極めて難しくなった。あとは陣営がどのような策を取るか、そしてクロワデュノール自身がどれだけ成長した走りを見せるかに注目だ。
フォワ賞(G2)で昨年の凱旋門賞4着のソジー(牡4歳/A.ファーブル厩舎)を差し切って一気に評価を上げたビザンチンドリーム(牡4歳/栗東・坂口智康厩舎)も外目、15番枠からのスタートとなったのはやはりマイナス材料。ただし、レッドシーターフハンデキャップ(G2)で豪快な捲りを決めた経験があり、前走のフォワ賞でも直線勝負で優れた決め手を見せている。継続騎乗のオイシン・マーフィ騎手のアシスト次第で大駆けがあっても驚けない。
前2頭とは逆に、4番という好枠を引き当てたのはアロヒアリイ(牡3歳/美浦・田中博康厩舎)。相手関係がラクだったとはいえ、逃げて突き放して2着に3馬身半(0秒5)もの差を付けたギヨームドルナノ賞(G2)の勝ち方は圧巻の強さだった。ただしこれは平坦なドーヴィル競馬場でのことで、アップダウンが激しくクセが強いロンシャンの馬場でどんな走りができるかは未知数。重賞勝ちはギヨームドルナノ賞が初めて。それでも2012、13年と2年連続2着したオルフェーヴルを母の父に持つこの馬への期待を止めることはできない。
さて、ここまで取り上げた5頭を筆者なりに、枠順も考慮したうえで順位付けするならば、次のようになる。
◎ アヴァンチュール
○ ビザンチンドリーム
▲ クロワデュノール
△ ミニーホーク
△ アロヒアリイ
続けて、その他の注目馬もピックアップしていこう。フォワ賞でビザンチンドリームに競り負けた地元のソジーは昨年の雪辱に燃えている。ロンシャン競馬場はG1レース3勝を含む〔5・1・0・1〕と大の得意で、道悪も難なくこなす。本番前のひと叩きで状態が上向いていれば馬券圏内突入も十分に有り得る。
ディープインパクトの直仔で仏ダービー馬スタディオブマン産駒のカルパナ(牝4歳/A.ボールディング厩舎)はG1勝ちが英チャンピオンズフィリーズ&メアズステークスのみだが、全12戦が3着以内という無類の安定感を示している。
そのしぶとさは牡馬との混合戦でも発揮され、今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)でも勝ったカランダガンから1馬身差の2着に健闘。タタソールズゴールドカップ(G1)でも勝ち馬ロスアンゼルス(牡4歳/A.オブライエン厩舎)から1馬身半差の3着に食い込んでいる。道悪も得意としており、混戦になった場合に浮上するのはしぶとさを売りとするこのタイプで、マークを怠れない1頭である。
日本の競馬ファンが注目する凱旋門賞の発走は5日の深夜23時05分。ロンシャンから届く吉報に期待したい。
文●三好達彦
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