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競馬

スターアニスのスピード能力は桜の女王にも期待! 一方、鞍上の戦略に疑問残った1番人気馬の敗北【阪神JF】

三好達彦

2025.12.16

 スターアニスを勝利に導いた松山弘平騎手は「前走(中京2歳ステークス(GⅢ)2着)で1400mを走ったときにマイルは大丈夫だろうと思っていました。直線の手応えも良く、追い出しを我慢するぐらいの余裕がありました。強かったと思います」と振り返った。1ハロンの距離延長に不安を抱く向きもあったが、その説をあっさりと跳ね返して見せた。

 同馬は父が短距離系のドレフォン、母の父が気性の勝った産駒を多く出しているダイワメジャーであり、マイル以上の距離延長に関して壁はありそうだが、少なくとも桜花賞まではこの卓越したスピード能力を持つ2歳女王を中心に進んでいくことだろう。

 2着のギャラボーグは未勝利戦を勝ち上がったのち、約3か月の休養をはさんで臨んできた格上挑戦でありながら、あわやのシーンを作ったのは素質の高さを証明。ロードカナロア産駒だが、陣営は新馬戦、未勝利戦とも1800mのレースを使っており、これはオークスまでの距離延長を見据えたものだと思われる。そのなかで後方から馬群を割って切れる脚を見せたことは大きな収穫だったと言えるだろう。桜花賞でもちろん有力馬として名が挙がるだろうが、その先のオークスまでをカバーする長いスパンで注目していきたい馬である。

 3着のタイセイボーグは、外の17番枠からのスタートながらすんなりと6番手に付け、直線では一瞬先頭に立つ見せ場を作った。西村淳也騎手の好騎乗もあったが、重賞で厳しい競馬を喧々したキャリアがここで生きたとも考えられる。桜花賞へ行っても伏兵としてマークすべき存在となるはずだ。
 
 アランカールは鞍上がとった戦略に疑問が残る。これまでの2戦で少頭数の競馬しかしてないことを考慮し、また1番人気に推されたプレッシャーもあったのだろうが、五分のスタートを切りながら最後方までポジションを下げて揉まれるのを避けたのは消極的な騎乗としか映らないし、またそれでいて速い流れのなかでまくって出たのもいささか強引すぎた。結果、大外を回った距離ロスも響いて勝ち負けには絡めなかったわけだが、それだけのマイナス材料を課されながら勝ち馬から0秒5差まで追い込んだのは、逆に能力の高さを表したとも言えよう。せめて、桜花賞の予行演習とも言えるこの一戦で敢えて揉まれる競馬を経験させていれば…と思わざるを得ない。

 もったいなかったのは6着のアルバンヌ。馬群のなかでレースを進め、直線でもインを突いたが、まともに前が壁になって進路を失い、まとも終えたのは最後の50mほどだけ。スムーズに進んでいれば、2~3着はあったのではと思わせるレース内容だった。ここで見限らず、継続的に注目していきたい1頭である。

文●三好達彦

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