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ラグビー

早大はなぜ最後まで攻めきれなかったのか――V14明大の選手たちが語った「オールコネクト」の意識【ラグビー大学選手権】

向風見也

2026.01.12

 もうひとつのクリティカル・モーメントはハーフタイム直前にあった。

 早大が敵陣22メートル線付近右中間でスクラムから展開も、継続するほど後退を余儀なくされる。
 
 明大が鋭いタックルを繰り返したからだ。結局、ピンチを凌いだ。

 クライマックスのシーンで示した激しさ、粘着性を、物語の途中でも存分に披露していたのだ。

 チームは11月2日の慶大戦であわや2敗目という内容で辛勝してから、レギュラーと控え組が激論をかわした。それ以来、ミーティングの頻度、密度を変貌させた。それまでの攻撃型のゲームプランを、陣地獲得と肉弾戦に焦点を当てたものにした。

 かような秋からの歩みを、大事なゲームでの頑張りに昇華した。

 パスやキャッチでミスのかさんだ早大にあっては、インサイドセンターの野中健吾主将が「ミーティングで(様々な状況を)想定していたのですが、いざその場に立ってみると攻め急ぐというメンタルがあったのかな…」。一方、対面にあたる優勝主将の平は喜びを抑えて述べた。

「ゲインされた後も(その地点まで)戻って、ディフェンスラインを上げることができた。コネクションを切らさずディフェンスができたのは、この1年での成長です」

 さらには攻防の起点となるスクラムでも、レフリーの判定をよいほうに傾けた。西野はこうだ。

「僕らはヒット&チェイス(ぶつかる瞬間に足をかく)を…と。そこでレフリーさんに『しっかり止まって』という話に。ただ、フォーカスの(一部の)ヒットは体現できた」

 取材エリアで囲まれた1人は伊藤龍だ。

 防御の背中を通すようなパス、人をかわす走りでチームの全3トライに絡み、神鳥裕之監督から「替えのきかない選手。チームリーダーが平とするならゲームリーダーは彼(伊藤龍)。一貫性も出てきた」と称えられた3年生だ。

 去り際にしたのは笑い話だ。ミーティングや分析の時間が増えた11月から趣味の麻雀を控えていた、といった主旨を語り、表情を崩した。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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