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【Do My Best, Go!|髙橋礼華・女子バドミントン|前編】「ダブルスを組むことで秘めた可能性を開花させてもらえた」日本バドミントン初の金メダル獲得となった"タカマツペア"が誕生するまで

元川悦子

2026.04.06

写真:GettyImages

写真:GettyImages

――高校に上がると、のちに一緒に金メダルを獲得することになる松友美佐紀選手とペアを組むことになりました。

 松友は1歳下で、最初に出会ったのは小学校の頃でした。高校から入学することは知っていて、「強い後輩が入ってくるのは最悪」というのが正直な感想でした(笑)。

 当時はお互いにシングルスの選手だったので、まさかペアを組むなんで全く考えていなかった。自分たちはもちろん、田所(光男)先生も周りの人たちも同じだったと思います。だから松友とのペアが決まった時は衝撃でしたね。「何かの間違いじゃないの?」と思ったくらい。たぶん松友も同じだったと思います。

――田所先生が2人を組ませた理由は?

 当時は明確な理由は特になかったみたいです(笑)。リオ五輪後、2人で一緒に学校を訪問した時に「どうして私たちをペアに選んだんですか?」と尋ねたことがありました。

 先生からは「チームの事情として新しくペアが必要な時期で2人にはシングルスで頑張ってほしいという考えは変わってなかったけど、髙橋は姉御肌、松友は妹分のような関係で性格的に合いそうだったから一回やらせてみようと思った」と言われました。(笑)

――先生は2人のキャラクターを見抜いていたのですね。

 そうかもしれないですね。普通はペアを決めるまで2週間くらいは準備期間があって、ペア練習などを見てから判断されることが多かったです。でも私と松友はそれまで一度も組んだことがなかったからダブルスの可能性はゼロだと思ってました。先生としてもダブルスを目指してほしいという希望もなかったと思います。

 それが実際に組んでみたら、意外なほどにしっくりきました。春の全国選抜大会で優勝すると「これは解散させられない」となって、そのまま高校総体も優勝とトントン拍子に進んでいきました。

――当時の心境を改めて思い返してみると?

 私はキャプテンだったので、シングルス、ダブルス、団体戦のどこでも出れるように準備をしていましたが、松友はシングルス一本に集中していた選手でした。だからダブルスのときは「先輩と組むからもっと頑張らなきゃいけない」とプレッシャーを感じながらプレーしていたそうです。そういう松友を先輩である自分が引っ張らなきゃいけないという思いがありましたね。
 
――バドミントンに限らず、ペアでの競技は誰と組むかで人生が大きく変わりますね。

 そうですね。お互いにシングルスで頑張っていきたいと考えていたけど、ダブルスを組むことで秘めた可能性を開花させてもらえた。そういうパートナーと出会わなかったら、その後の成長も五輪での金メダルもなかったわけですから、本当に感謝しています。

――ベストな関係性を築き上げるために、特に意識したことは?

 特別なことはしてこなかったと思います。松友とは目指している場所や目標、ペアとしての理想が最初からすごく一致していましたね。バドミントンに対する熱量も一緒でした。そういうパートナーじゃないとうまくいかなかったと思います。
 
 意識したのは私が1歳上なので、練習態度やメンタルの部分でリードするようにしていました。松友は少し緊張するところがあったので、「私がドーンと構えていよう」という気持ちで取り組んでいました。

――髙橋さんは2009年4月に日本ユニシスに入社。松友さんは1年遅れて入社し、そこから本格的な強化が始まります。

 松友が卒業するまでは高校の試合が優先だったので、その時期は一緒に試合に出場することは少なかったです。彼女はシングルスで上を目指したいという気持ちもあったので、ダブルスに専念するための決断も必要でした。本格的にダブルスとしてやっていこうとなったのは、全日本選手権を初制覇する2011年の少し前だったと思います。その決断に心から感謝しています。

――2012年ロンドン五輪には出られず、先輩のフジカキペア(藤井瑞希・垣岩令佳両選手)が銀メダルを獲得されました。その時に「次は自分たちが絶対に金メダルを取る」と決意したそうですね。

 はい。当時、私たちは世界ランキング13~14位で、日本代表になる条件が8位以内の上位2ペアでした。そこに滑り込むことができなかった。選考レースのなかでフジカキペアに勝った試合もあったので、ロンドン五輪で彼女たちが銀メダルを取る姿を見たときに悔しさがありましたし、自分たちが出ていたらと考えることもありました。

 翌日に松友も「次は絶対にうちらが金取ろう」と言ってくれました。もともと金メダルを目標にしていましたが、お互いに同じ目線で目指していることが再確認できた瞬間でした。そこから4年間の挑戦が始まりましたが、リオ五輪まであいだで松友と金メダルの話をはっきりと言葉にしたのはその1回だけでした。
 

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