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競馬

天皇賞史上に残る大激戦 2センチ決着もクロワデュノールの絶対能力に脱帽

三好達彦

2026.05.05

 クロワデュノールの手綱をとってGⅠレース4勝のアシストをした北村友一騎手はレース後、「ゴールした時は本当にわからなくて、勝っているのか負けているのか、わからない状況で戻ってきました。戻ってきてからも写真判定が長く、勝てて本当にほっとしています」と胸を撫で下ろしていた。そしてレースプランについては、「最初の下り坂をリラックスして入っていくことを第一に考えていたのですが、正直、少し力んでしまいました。総合力があり、機動力もあるので、早めにスパートして押し上げていく形になりましたが、頑張ってくれると信じて追っていました」と述懐。この正攻法での勝利がクロワデュノールの強さを信じてのアグレッシヴさであったことを滲ませた。

 決して3200mへの距離延長が向いているとは言えない彼ながら、絶対能力の高さによって他馬をねじ伏せたとういうのが筆者が受けた印象。おそらくこの後は古馬春季中長距離三冠の最終戦となる宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)への参戦を計画するだろうが、三冠の最難関であった天皇賞(春)を苦しみながらも制覇したことで、快挙達成の可能性はかなり高くなったと言えるだろう。
 
 ヴェルテンベルクの元気そうには心底、驚かされた。昨年6月にオープン入りしてからの重賞成績は9着、7着、6着、4着と尻上がりに着順を上げてきてはいたが、一度も勝ち負けには加われておらず、それに加えて初めてのGⅠ参戦、5戦して着外5回の京都コースということもあって、筆者は最初から検討の対象としていなかった。それを覆したのは、松若風馬騎手の思い切った後方待機策によるところが大きいだろう。松若騎手は。、「外枠(大外の15番枠)でしたので腹を括ってロスなくという、プラン通りの競馬でした。勝負どころでの折り合いもよかったですし、アドマイヤテラに連れていってもらう形になりました。直線に向いての反応も良かったのですが、この着差ですから悔しいです。馬は頑張ってくれました」とレースを回顧。ほぼ淀みのないミドルペースとなったことが、末脚にすべてを賭ける本馬のパーソナリティにばっちり嵌ったのだろう。

 3着のアドマイヤテラは、ライバルと目されたクロワデュノールに力差を見せ付けられた格好だ。前走の阪神大賞典(GⅡ)での快勝劇で一気に評価を上げたが、真のトップオブトップと対戦したのは、落馬・競走中止となった昨年のジャパンカップ(GⅠ)を除けば、3着となった菊花賞(GⅠ)、11着となった昨年末の有馬記念(GⅠ)以来のこと。終いの伸び脚はじりじりとしたものに終わり、本当に頂点を狙うには、もうひとつ上のギアが必要との印象を受けた。

 ディフェンディングチャンピオンのヘデントールは5着と、一応の意地は見せた。しかし馬体も走りも昨年のような力感に欠けているというような感想を持った。骨折での休養から明けて2戦、全盛期に近い勢いを取り戻せるよう、秋の戦いに注目したい。

文●三好達彦

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