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ゴルフ

久々の好スタートを切った鈴木愛。“パター不調”から見出した活路は「クロスハンドグリップ」

山西英希

2020.09.18

 試合で試すのは一昨年以来だったが、この日は面白いようにボールがカップに吸い込まれていく。2番パー4で2メートルを決めて、久々にバーディが先行すると、6番パー3ではティショットをピンそば50センチにつけて、2つ目のバーディを奪う。ところが、7番パー4で2メートルのパーパットを残す。ここ最近の試合では間違いなく外していた距離だ。しかも、フックしてからカップ際でスライスするという難しいスネークライン。「上りのラインだったので、あえてしっかり強めに打とうと決めてから打ちました」と鈴木。迷いなくストロークしたボールはカップのど真ん中から消えていった。

 ピンチを切り抜けると、12番から15番まで4連続バーディを奪うなど、完全に好調時のモードに入り、終わってみれば久々に7つのバーディを奪った。面白いもので、パットが入ることで少しずつ運も向いてきた。これまでは少し曲がっただけのボールが木の根に止まったり、フェアウェイに打ったボールが小さなディボットの中に入るなど、運のなさを嘆いていた鈴木だが、この日は15番で池ポチャかと思われた第2打がギリギリ池を避けるなど、思わぬラッキーに恵まれたと笑顔を見せた。
 
 今大会は優勝こそないものの、過去6回出場して全て予選通過し、トップテンが3回ある相性のいい大会でもある。ウェア契約を結ぶデサントが主催するだけに、今年こそ優勝して恩返しをしたいところだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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