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ゴルフ

「手応えは完ぺきでした」古江彩佳の粘りが生きた“プロ初勝利への一打“。安定感と修正力はすでに「いいお手本」だ

山西英希

2020.09.20

 01年生まれで新世紀世代と呼ばれる笹生優花が2勝を挙げ、黄金世代の小祝さくらも優勝。古江が勝ったことで、ようやくプラチナ世代の存在感をアピールできた。しかし、古江自身には、そういった世代間同士の対抗心や個人的な競争心には一切興味がないという。

「ゴルフは自分が頑張るだけですからね。周りのことは考えず、常に自分自身の戦いだと思っています」

 振り返ってみれば、アマチュア時代から同世代に手強いライバルがそろっていた。いちいち相手のことを気にしていたら、自分のゴルフを見失っていたかもしれない。目の前の一打に集中し続けてきたからこそ、ナショナルチームのメンバーとしても活躍し、世代のトップランナーとしての今があるのだろう。
 
 今大会を終えて、賞金ランキングは6位に浮上した。ちなみに、平均ストロークは3位で、パーセーブ率とリカバリー率では1位。それだけゴルフに安定感がある証拠だ。実際、今大会では3日間54ホールで一つもボギーを叩かなかった。

 その安定感が海外でも通用するのか期待が高まるが、今どきの若手には珍しく、海外ツアーで戦う気持ちは今のところない。それよりも何年も続けて賞金女王の座につくことが目標だという。さらに、小学校時代から憧れる宮里藍のように「ジュニアゴルファーから応援されるようなゴルファーになりたいです」と続ける。ドライバーで飛距離を稼ぐといった派手さはないが、正確なショットと安定感のあるゴルフは、今でも十分ジュニアゴルファーにとっていいお手本であることは間違いない。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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