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ゴルフ

終盤失速も“らしさ”を取り戻しつつある渋野日向子。首位2打差で国内最終戦を折り返す【リコーカップ】

山西英希

2020.11.27

 特に悔やまれたのが最終18番パー4だ。第2打をグリーン手前のラフに入れ、そこからピンまで23ヤードあったアプローチをピン手前2メートルにまで寄せた渋野。それまでは58度のウェッジでアプローチしていたが、芝目のきついコウライでも足を出せるようにと大会前から練習していた52どのウェッジを初めて使ったランニングアプローチだった。予想以上に傾斜の影響を受けたものの、上りのラインを残せたことに手応えを感じた。それだけにパーパットを沈めれば気分よく翌日のラウンドに気持ちを向けられたが、打ち切れずにボギーを叩いたことに渋い表情を浮かべた。
 
 終盤にスコアを落としたものの、首位とはまだ2打差しかない。この日の「69」という数字も5番目にいい数字だし、大会前に立てていた1日に3アンダーの目標もクリアしている。「あと2日残っているのでまだチャンスもあると思います。攻めるところは攻め、守るところは守り、粘るところは粘って、今できる最高のゴルフができるように頑張りたい」という渋野。やはり上位にいてこそ真価を発揮するタイプなのだろう。ラウンド中の表情を見ても明らかにこれまでよりも集中力が増しているし、昨年の好調時のような強い気持ちが伝わってきた。国内最終戦にしてようやく“らしさ”を取り戻しつつある渋野。残り36ホールでも強い気持ちをキープできれば、今季初優勝も十分見えてくるはずだ。

文●山西英希

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