専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
フィギュア

宇野と羽生を追いかける17歳、鍵山優真がNHK杯で見せた将来性。今後トップになっていくための課題は?

矢内由美子

2020.12.24

 5歳でスケートを始め、父でありコーチである正和さん(92年アルベールビル五輪、94年リレハンメル五輪出場)に基礎重視の指導を受けてきた。それが実を結び始めたのだという感触を言葉にしていた。

 今後、世界のトップになっていくための課題として避けられないもののひとつは、トリプルアクセルということになる。ジャンプの中で唯一前向きに跳ぶため苦手とする選手は多く、ネーサン・チェンもこのジャンプには相当手こずってきた。鍵山もこのジャンプで“失点”してしまうことがある。

 今シーズンの鍵山は4回転サルコーを完全にものにし、昨シーズンから持っている4回転トーループに加えて来シーズン以降は4回転の種類をさらに増やすことを視野に入れている。世界一を目指せる逸材であるだけに、トリプルアクセルの克服は重要。SPでアクセルジャンプは必須項目であるため、なおさら避けて通ることはできない。
 
 表現力に関しては年齢を重ねるごとに自然と身につく部分もあるだろう。また、コロナ禍前のエピソードだが、鍵山は踊りが大好きで、コンビニで流れている曲に合わせて自然と踊っているような少年。ここはぜひ、踊りの名手としても氷上のスターとして名をはせる姿を見てみたい気がする。

 今回の全日本選手権には、昨年のワンツースリーである宇野、羽生と鍵山がそろって出場する予定だ。エントリー選手は12月17日に全員PCR検査を受け、全選手の陰性も確認済みで、このままいけば予定通りに試合が行われる。2月以来の試合となる羽生や、5連覇を目指す宇野と、鍵山はどこまで距離を縮められるか。あるいは渡り合えるか。シニア1年目の17歳から目が離せない。

文●矢内由美子

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号