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ゴルフ

公式戦2勝の原英莉花が2020年シーズンに得たモノ。驚異的な成長を物語る数字と、その裏にあった取り組みとは?

山西英希

2020.12.30

 また、自分のプレースタイルを改めて見直したことも大きい。原の武器といえば飛距離を稼げるドライバーショットだが、一時は安全にいこうとしてそれほど振らなくなっていた時期があった。しかし、飛ばして攻めるのが自分のゴルフだと気づき、『日本女子オープン』を迎えるあたりからしっかりと振るようになったという。同時に球筋もフェードボールからドローボールに戻したことで、飛距離が戻ってきた。

 さらに、クラブセッティングでしばらくの間バッグに入れていなかった3番ウッドを投入。パー5では積極的に2オンを狙うようになった。19年は4・81(25位)だったパー5での平均スコアが20年は4・72(5位)まで上がったのだ。たとえ2オンに失敗しても、そこから1パット圏内に寄せる確率が高まったことも大きいが、アグレッシブな姿勢がいい結果を生んだことは間違いない。
 
 12月には初めての海外メジャー挑戦となる『全米女子オープン』にも出場。国内ツアーでの勢いで戦いたかったが、不慣れな芝やコースセッティングに対応し切れず、通算19オーバーで予選落ちとなった。しかし、20年は国内ツアーで結果を出すことが目標であり、海外メジャーに照準を合わせていなかったことを考えれば仕方がないだろう。逆に21年は海外メジャーも視界に入れて調整しようと思えたし、そのために何が必要なのかも感じとることができた分、同じ轍を踏まないことは十分期待できる。

「技術的にはまだまだ粗い部分があるし、調子の波も大きいので、21年はそこをしっかりと修正して安定したゴルフをできるようにしたいですね。もちろん果敢に攻めていけるようにも取り組みたいと思います」と抱負を語った原。改めて振り返ってみると、原が20年に得たモノは、21年にさらに飛躍するための“土台”だったのではないだろうか。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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