「今年は米ツアーと日本ツアーのどちらにも参戦する予定なので、かなり忙しくなると思いますが、挑戦する気持ちを忘れることなく、最後まで走り抜けて自分を変えていけたらいいなと思います」と語る渋野。移動の大変さも一度経験しているだけに、昨年ほどの疲労は感じないかもしれない。ちなみに、今年はツアーだけでなく東京五輪も控えている。現在世界ランキング13位と出場圏内にいる渋野だが、このまま15位以内をキープすると、畑岡奈紗が同７位にいるため日本選手が４人出場ということもある。ゴルフファンの夢を広げるためにも頑張ってほしいところだ。
  　出場試合数は国内ツアーが最多になると思われるが、海外トーナメントにも参戦するだけに、賞金ランキングで上位に入ることは難しいかもしれない。それでも、自分のゴルフを見失うことさえなければ、２年ぶりの優勝を飾る可能性は十分にあるはず。上手くいけば、日米両ツアーのトーナメントを制することだってあり得る。メンタル的にも技術的にも昨年よりひと回り大きくなった今年の渋野にはもはや期待しかないだろう。

文●山西英希

著者プロフィール／平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。