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ゴルフ

ついにベールを脱いだ“ニュー渋野日向子”! 斬新な「ウェッジ4本制」と磨き上げた「100ヤード以下の精度」

山西英希

2021.03.05

 シーズンオフに数回一緒にラウンドした石川遼からのアドバイスもあり、100ヤード以下の精度を上げるためにウェッジ4本制を選択した。早速、その効果が出たともいえるが、ウェッジを増やしただけで好結果につながるほど甘くはないだろう。

 3打目に理想の距離を残すためには、2打目できっちりと計算どおりの距離を打たなければいけないからだ。その練習を相当行なったことは簡単に想像できる。再現性の高いショットを目指してトップの位置を右肩の高さぐらいに抑えているのもそのためだ。さらに4番ユーティリティを抜いてロフトを1・5度立てた5番ユーティリティを入れたり、飛距離の異なる6番アイアンを2本入れるなど、クラブセッティングにも試行錯誤を繰り返した。
 
 どちらにしても、100ヤード以下の精度を磨いたことで、コースマネジメントのバリエーションが増えたことは大きな武器である。

 もちろん、渋野の持ち味でもあるアグレッシブさを失ったわけではない。「初日のようにパー5で2オンできるチャンスがあればどんどん狙っていきますよ。ただ、グリーン手前のバンカーに入るリスクがあったりとか、中途半端な結果になると判断したときにはそれを避けるためのマネジメントをするだけです」。

 これでよりバーディを奪える態勢は整った。それもこれも、昨年の海外ツアーで学んだことが大きい。取れるところで確実にバーディを取らなければ上位に顔を出すことはできないことを痛感してきた。「プラスアルファがないと上のレベルには行けませんからね」。やはり今年の渋野はひと味違うようだ。首位との4打差は十分に射程圏内だろう。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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