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皐月賞の有力2頭を徹底比較!主役ダノンザキッドと対抗エフフォーリアの道悪適性は互角か?

三好達彦

2021.04.17

 初年度産駒から牝馬三冠を制したデアリングタクトを出して一気に評価を高めたエピファネイア。その2世代目の産駒、エフフォーリアが今年は牡馬クラシックを射程に収めている。

 昨年8月新馬戦(札幌・芝2000m)を勝つと、約3か月の休養を挟んで出走した百日草特別(1勝クラス、東京・芝2000m)も好位からの差し切りで快勝。そして年明け、2月の共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)に出走すると、単勝4番人気という評価を覆し、2着に2馬身半(0秒4)もの差を付けて圧勝。一躍、クラシック戦線の有力馬との声がかかるようになった。
 
 その後、共同通信杯で2着に降したヴィクティファルス(牡3歳/栗東・池添学厩舎)は皐月賞トライアルのスプリングステークス(GⅡ、中山・芝1800m)を制し、また3着だったシャフリヤール(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)は1分43秒9という驚異的なレースレコードで毎日杯(GⅢ、阪神・芝1800m)に優勝。このこともエフフォーリアの評価を一段と高めることになっている。

 昨年、関東リーディングジョッキーに最年少で輝いた横山武史騎手は、勝てばこれが自身初のGⅠ制覇となるが、「相手は強いメンバーになるので甘くはないと思いますが、この馬は負けたことがないので(引けは取らない)」と強気な姿勢を崩さない。

 天気が悪化する見込みの予報にしたがって、両馬の道悪適性をチェックしておきたい。

 まずダノンザキッドだが、デビューの新馬戦は稍重で勝利を挙げているので、軽い道悪ならば対応できることは証明済み。父のジャスタウェイは不良馬場の安田記念(GⅠ)や、稍重の中山記念(GⅡ)を勝っているように道悪は上手く、産駒のエーポスはフィリーズレビュー(GⅡ)を、ヴェロックスは若葉ステークス(OP)をそれぞれ稍重で勝っているように、本馬も道悪は苦にしないと見ていいのではないか。

 エフフォーリアは3戦とも良馬場での勝利で、道悪適性はまったくの未知数。父のエピファネイアは不良馬場の菊花賞(GⅠ)を5馬身差で圧勝した大の道悪上手として知られ、産駒のデアリングタクトは重馬場の桜花賞(GⅠ)を快勝し、稍重の秋華賞(GⅠ)も苦にせず勝利を収めている。この点から考えれば、道悪をこなせて不思議はないだろう。

 2頭の主役候補をみてきたが、そのどちらが上位かと訊かれれば、GⅠタイトルを持つぶんダノンザキッドがやや上と見るが、エフフォーリアには3戦全勝という未知の魅力があって、文字どおり甲乙つけがたい。勝負を分けるのは天候の行方と馬場状態かもしれない。

 次回は逆転を狙う伏兵について考察してみたい。

文●三好達彦
 

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