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アスリートキャリア

大阪でサッカーチームを立ち上げた川原隆平が、社長に“直談判”してデュアルキャリアを選択した理由

吉田治良

2021.04.22

自ら立ち上げたクラブでの指導は、サッカーの楽しさを中心に伝えているという。(C)Valuence Holdings Inc.

自ら立ち上げたクラブでの指導は、サッカーの楽しさを中心に伝えているという。(C)Valuence Holdings Inc.

──指導者としての一番の喜びはどこにありますか?

「やはり、子どもたちが日々成長していく姿を間近で見られるところですね」

──作陽高時代はトレーニングも厳しかったでしょうが、ご自身が受けられてきた指導と、現在の指導スタイルに違いはありますか?

「自分が学んできたことがベースにありますが、とくに幼稚園や小学生年代の子どもたちには、それをよりかみ砕いて理解させることを心がけています。なによりも情熱を持って、子ども目線に立って指導することが大切ですね」

──すでにガンバ大阪のコーチは辞められたんですよね?

「はい。今は中学校の外部コーチを務めながら、2月には昔からの夢であった小学生年代を対象としたサッカーチームを、大阪市内で立ち上げたばかりなんです。コロナ禍でなかなか思うようにメンバーも集まりませんが、これから少しずつ大きくしていければと思っています」

──指導者キャリアはすでに10年。ご自身のチームも立ち上げられたなかで、今回バリュエンスのデュアルキャリア採用に応募されたのはなぜですか?

「ずっとサッカーに携わりたいと思う一方で、違ったキャリアを経験してみたいという気持ちも以前からあったんです。そんな時に、デュアルキャリア採用の情報を目にして。今考えるとすごく無謀なんですけど……、実は嵜本社長にSNSを通して直接メッセージを送ったんです(苦笑)。『指導者も対象に入りますか?』って。そうしたら、すぐに『入りますよ』というお返事をいただけたんです」
 
──まさに直談判ですね(笑)。嵜本社長のSNSは以前からフォローされていたんですか?

「はい。嵜本社長とは中学校(大阪市立白鷺中)が同じで、それにガンバ大阪という共通項もありましたから、勝手にご縁を感じていたんです(笑)」

──バリュエンスに応募されたのは、収入など生活面の安定を求められた部分もあったのでは?

「そうですね。ガンバのコーチ時代は、子どもたちの学校が終わってから練習が始まるので、時間的な制約が少なからずあったんです。それに契約社員でしたから、来年どうなるか分からないという漠然とした不安も常にありましたね」

──例えば、Jクラブのトップチームの指導者になる道は考えなかったんですか?

「もちろん、よりプロフェッショナルなコーチになれれば素晴らしいと思いますし、チャレンジしてみたい気持ちがなかったわけでもありません。ただ現実を見て、サッカーだけじゃなく、一度はサラリーマンとして働きたいなと、僕の場合はそう思ったんです」

──ご自身のチームを立ち上げられたのも、バリュエンスに入社されたのも今年の2月。デュアルキャリアを選択されて、チーム運営に影響は出ていませんか?

「まったくないですね。土日は公休をいただいていていますし、練習のある火曜日と金曜日も16時までに上がらせてもらっていますから。大学卒業後に約2年間働いた警備会社では夜勤業務があって、夜勤明けに子どもたちを指導するのはなかなか大変でしたが、時間の融通が利くバリュエンスでは、そんな辛さもありません」
 
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