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ゴルフ

渋野日向子の3位転落に、古江彩佳と稲見萌寧の急上昇。残り1か月半で激化する“五輪出場権レース”の行方は?

山西英希

2021.05.13

 また、稲見とは対照的に今年のシーズンを迎えてからなかなか上位に顔を出せなかった古江は、徐々に調子を上げてきた。直近5試合ですべてトップテン入りという結果を残し、いつ勝ってもおかしくない状態にまで戻しつつある。

 そして、どちらに転ぶのか分からないのが渋野だ。今年は国内4試合、海外4試合の計8試合に出場しているが、最高順位は『Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント』での11位タイでトップテン入りは一度もない。

 また、ポイントを稼ぎどころだった『ANAインスピレーション』では予選落ちを喫している。結果だけを見れば、巻き返すことは難しいと判断せざるを得ないが、いきなり調子を上げてくるタイプだけに、いかんとも判断しにくいところだ。
 
 さらに、まだ『全米女子オープン』と『KPMG全米女子プロ』のメジャー2試合が残っていることも大きい。

 国内ツアーで優勝しても公式戦以外では18.5ポイントしか稼げないが、海外メジャーで優勝すると100ポイントが与えられる。仮に優勝しなくても、昨年の『全米女子オープン』で4位に入ったときは30ポイントを与えられた。メジャー2試合で上位に入れば巻き返しは十分あり得るのだ。

 もちろん、その反面、予選通過できなければゼロポイントであり、世界のトップクラスが集まるメジャーで上位に入ることは容易ではない。

 古江、稲見はこれからの7試合が正念場であり、渋野はメジャー2試合での結果次第で五輪出場が決まる。ただ、日本選手2番手に入ることができれば、現時点から勢いのあるゴルフをした証明になるだけに、だれが入っても本戦での活躍を期待できるのではないだろうか。

文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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