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バレーボール

石川真佑が五輪前哨戦で躍動中!世界の高さに勝てる理由は「秀でたボディバランス」【女子バレー】

THE DIGEST編集部

2021.06.08

カナダ戦はチームトップの13得点を量産した石川だが、スパイクで決めきれなかったことを悔やんだ。(C)Getty Images

カナダ戦はチームトップの13得点を量産した石川だが、スパイクで決めきれなかったことを悔やんだ。(C)Getty Images

 近年は高校生年代でも自重での体幹トレーニングなど、ボール練習だけでなく筋力や体力、持久力をつけるために必要なトレーニングを取り入れるチームも増えてきた。しかし男子よりも女子はまだまだトレーニングに対する知識も浅く、身体をよりスムーズに動かし、競技につなげるための動きを習得するべくトレーニングは必要であるにも関わらず、いまだウェイトトレーニングをすれば余分な筋肉がつく、と敬遠しがちな指導者がいるのも現実だ。まだまだ改善すべき点の多い高校女子バレー界ではあるが、石川が恵まれていたのは、ウェイトトレーニングの必要性にいち早く着目し、専門のトレーニングコーチがいる下北沢成徳で、正しい知識に基づいたウェイトトレーニングに入学直後から取り組む環境があったことだ。

 選手それぞれの体脂肪率や筋肉値など定期的に体組成を計測し、必要な負荷と回数でウェイトトレーニングを行なう。さらに並行してボール練習ではしっかり高い打点でハードヒットすることに重きを置く。目先の勝利だけを求めた技術の習得ではなく、将来を見据えた身体と技術を共に習得した成果が、日本代表に選出された現在、形となって表れている。ネーションズリーグでも眼前に立ち並ぶ高さで勝る相手ブロックに対しても、巧みなタッチスパイクや、上空でバランスを維持したまま空いたコースに鋭く打ち込むスパイクは、まさにその成果の賜物と言えるだろう。
 
 ストレート勝ちを収めた7日のカナダ戦でも5本のサービスエースを含むチームトップタイの13得点を挙げ、勝利に貢献。試合後の取材に応じた石川は「ストレートで勝てたことは大きい」と述べながらも「自分たちのミスをもう少し減らすべきだった」と課題を述べ、次戦に向けても「個人的に(カナダ戦の)サーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」と満足ではなく、さらなる課題を掲げ、進化を誓う。

 後半戦は日本より上位につけるトルコ、アメリカといった強豪国や高さで勝るポーランド、ドイツなど厳しい戦いが続く。ファイナルラウンド進出もさることながら、これまでも数多くの経験を力に変えて来た石川が、ネーションズリーグで何を学び、習得し、次にどう活かしていくのか。カウントダウンの進む東京五輪へ向け、期待は高まるばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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