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ラグビー

【10.20ドキュメント】8強決戦のピッチで何が起きていたのか?南アフリカ監督・選手が明かした日本戦の"真相"【ラグビーW杯】

多羅正崇

2019.10.23

デクラークのトライを、南アフリカのコーチは「あの試合で最高のシーン」と振り返った。(C)Getty Images

デクラークのトライを、南アフリカのコーチは「あの試合で最高のシーン」と振り返った。(C)Getty Images

 結果的に南アフリカは3連続のPG成功(44,49、64分)で14-3と突き放す。今大会の南アフリカのディフェンスは鉄壁であり、この日もトライを許さずFLコリシ主将が「誇りに思っている」と振り返る出来だった。着実なPG加点により、日本に心理的なプレッシャーが掛かる状況になっていった。

 しかし日本は後半の運動量が豊富だ。重量級FWが揃う南アフリカにとっては後手に回る分野でもある。

 だから、エラスムスHCはリザーブに通常よりも多い6人のFWを並べていた。

「日本はフィットネスが高く、誰もが速く動くチームが日本。ウイングには2人のフェラーリ(松島幸太朗、福岡堅樹)がいます。FWが非常にきついということも分かっていたので、最後の60分からプロップを入れ替え、FWにフレッシュ・レッグ(元気な選手)を入れました」

 68分までにリザーブのFW全員を投入。その2分前には自陣からラインアウトモールで約50mも前進して、SHファフ・デクラークがフィニッシュ。南アフリカのマシュー・プラウドフット・コーチが「あの試合で最高のシーン」と振り返る会心のトライ(ゴール成功)で、21-3と引き離した。
 
 70分にはFLコリシ主将が密集でターンオーバー。SOポラードのカウンターアタックから、WTBマピンピが左隅にグラウンディング。26-3が最終スコアになった。

 この日の最優秀選手賞はトライもあったSHデクラーク。試合後には日本を讃える言葉を忘れなかった。

「日本が長くボールをキープしたので、とてもフィジカルな試合になった。それに耐え続けなければなりませんでした。日本は競り合いも上手く、キックをするたびに彼らに止められてしまいました」

 エラスマスHCは試合後に特別な賛辞を日本へ送っている。

 試合直後の公式記者会見。時間いっぱいとなり司会者が会見を打ち切ろうとすると、エラスマスHCは「最後にひと言」と遮った。そして日本への言葉を口にした。

 開催国の日本に対する、温かいラストメッセージだった。

「日本の皆さんへ言わせてください。開催国として誇りに思ってください。日本のパフォーマンスを誇ってください。スコットランド、アイルランドがいたのにトップで通過して、8強に入りました。日本のラグビーは本当に良い状態にあると思います。日本の皆さんは我々に敬意を示し、対戦相手でも支えてくれました。本当に日本のラグビーを誇ってください」

取材・文●多羅正崇(フリーライター)

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