これまでの２戦が1800ｍであり、また終いまで脚を伸ばし続けた様子を見ても、ドウデュースが一介のマイラーでないのは確か。父ハーツクライという血統からも、これから距離を延ばしていっても不安を抱えることはないだろう。ホープフルステークス（ＧⅠ）の結果次第ではあるが、日本ダービーを２勝している友道康夫調教師の手になることも手伝って、少なくとも皐月賞（ＧⅠ）まではこの馬がクラシック戦線を引っ張っていく存在になるはずだ。

　２着に敗れたセリフォスも、１番人気という高評価に違わぬ走りを見せた。終始ドウデュースの目標になりながら、先に抜け出して最後まで抵抗を示したしぶとさは流石と言えるもの。ただ、前進気勢が強い産駒を多く送り出してきた父ダイワメジャーという血統も含め、こちらはドウデュースよりマイラー指向が強いと思われるが、陣営がこれからどういう進路を取るかにも注目したい。
  　ロードカナロア産駒のダノンスコーピオンも目を見張る終いの伸びを繰り出して３着と、マイラーとしての優秀さを証明。ポテンシャルの高さは上位２頭に引けを取らない。

　また、プレビュー記事で”穴馬候補”として挙げたアルナシーム（牡２歳／栗東・橋口慎介厩舎）は、大きく後手を踏んで最後方からのスタートとなったが、直線では12番手から激しく追い上げて４着で入線。前走の暴走気味な走りを受けて厩舎が取り組んだ馬具の変更や調教の工夫が実を結んだかたちで、今後も目を離せない存在となった。

　２番人気で５着に敗れたジオグリフは、道中の位置取りが最後方近くになったのが痛かった。ハイペースを読んでの方策だったのかもしれないが、タイムロスは如何ともし難く、クリストフ・ルメール騎手の”らしくない”騎乗が残念ではあった。

　それでもタフな洋芝の札幌で1800ｍ重賞を勝ち、ルメール騎手が「距離が延びれば良さそう」と言っているように、クラシック級の素材であることは素直に認めておくべきだろう。これからの巻き返しに期待したい。

文●三好達彦

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