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【凱旋門賞レビュー】英国調教馬のアルピニスタがGⅠ6連勝!日本馬4頭は惨敗…凱旋門賞の捉え方はこのままでいい!?

三好達彦

2022.10.04

 アルピニスタは、昨夏のランカシャーオークス(英GⅡ)を勝利すると、その後のベルリン大賞(独GⅠ)から前走のヨークシャーオークス(英GⅠ)まで、欧州各地でGⅠレースを5連勝。その勢いをもって臨んだ凱旋門賞も制して、自身のGⅠの連勝記録を「6」にまで伸ばした。

 父は現役時代、GⅠレース10勝を含む14戦14勝という完璧な成績を残し、種牡馬としても昨年の欧州チャンピオン(最多賞金獲得種牡馬)に輝いたフランケル。日本でもソウルスターリング(17年オークス)、モズアスコット(18年安田記念)などのGⅠホースを出しており、ファンにも馴染みがある名前だろう。アルピニスタはレース後、関係者から11月24日のジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)への出走を視野に入れている旨を語ったと報じられており、今後の動向には大いに注目したい。
 
 タイトルホルダーの横山和生騎手が「レース直前に雨が降ってしまい、なかなかしんどい戦いになってしまった」、ステイフーリッシュのクリストフ・ルメール騎手が「雨が急に降って、馬場を気にしたのか、全然進んでいかなかった」とコメントしているように、今回もまたタフな馬場に跳ね返されたというのが実情だ。そしてまた、矢作調教師が「日本の馬、全てにとって楽ではない、厳しい馬場になりましたが、それはもう分かっていること」とシビアなコメントを残しているが、極めて正しい分析と言える。

 しかし、例えばエルコンドルパサーが2着に入った99年は『不良』馬場でのことであったし、同様に2012年と2013年に連続2着となったオルフェーヴルは両年とも『重』馬場で結果を残しているのを見逃してはならない。凱旋門賞の開催時期のロンシャンは天候が不安定で、馬場状態が悪化するのがデフォルトであり、それを克服できるかどうかは、メンタルを含めた適性の問題である。

 日本調教馬に向く、比較的軽い馬場で行われる欧州のGⅠレースが他に存在することを知っている日本のホースマンは少なくない。それでも「日本競馬界の悲願」と唱え続ける風潮は如何なものか、と筆者は思う。日本で強ければ、即、凱旋門賞という思考回路をまず日本のメディアやファンが断ち切ることも必要なのではないか。そのことを改めて痛感させられる今年の凱旋門賞だった。

文●三好達彦

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