やはりプロテストの修羅場を１位で潜り抜けた選手は技術だけでなく、メンタルも強いのか、プレッシャーのかかるQTはもちろん、ツアーに参戦してもしっかりと実力を発揮しているのが、最近の傾向となっている。「ファイナルステージから出場できるのはすごいチャンスだと思うので、しっかりそのチャンスをモノにしていきたいです」と、清本自身も気合が入る。仮にファイナルステージで上位に行けなかったとしても、新人選手は無条件で翌年のステップアップツアーに出場できる。下部ツアーとはいえ、昨年５勝を挙げて賞金女王になった櫻井心那は、今季のJLPGAツアーで４勝を挙げ、メルセデスランキング５位に入る活躍を見せている。キャディを帯同することが認められていないだけに、自分で考えてプレーする力を養うにはいい環境であるのは間違いない。

　気になるのはシーズンを通して戦えるだけの体力面についてだが、身長150センチ、52キロの山下美夢有が２年連続年間女王になっているだけに、153センチ、54キロの清本でも十分期待できる。どれだけの体力があるかは未知数だが、安定感のある下半身に期待したいところだ。
  　将来的には海外メジャーよりもオリンピック出場を目指したいという清本。「ゴルフだけじゃなく、どの競技にとってもすごい大会なので、ぜひオリンピックに出たいですね」と目を輝かせる。さすがに来年のパリ五輪には間に合わないが、28年のロサンゼルス五輪ならチャンスがあるかもしれない。どちらにせよ、まずは今週のQTファイナルステージをクリアして、来季前半戦の出場権をしっかり手にすることが先決だろう。

構成●THE DIGEST編集部

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