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ラグビー

海外強豪の防御網をすり抜け、局面打開のパス&キックでも魅了! 31歳の松島幸太朗がどんどんカラフルになる

向風見也

2024.03.31

 難易度が増すこの国のコンペティションに揉まれるなか、パス、キックも磨いている。タッチライン際のウイングを任されることもあるが、最後尾のフルバックで評価されたいからだ。グラウンドの中央に位置することの多いポジションの特性上、自分で局面を打開するほか周りを活かすのも求められる。
 
 3月22日には秩父宮で、リーグワンの第11節に先発する。前年度の3位決定戦で敗れた横浜キヤノンイーグルスとぶつかる。

 7-10と3点差を追う19分頃。自陣の深い位置から走り出し、持っていた球を向かって左奥の端側へ蹴る。タッチラインの外へ出た地点から再びアタックできる「50・22」を成功させた。

 穴場をえぐる足技はこの後も連発しており、32分には敵陣中盤からからゴール前右へキックパス。トライを演出した。直後のゴール成功で当時のリードを18点にした。

 さかのぼって27分には、向こうの攻め方を読み切って鋭いタックルを成功。守備役を引き寄せてのパスで味方の快走を引き出したり、放った先へサポートに入ってボールを保護したりもした。

 しかし35―37と屈しただけに、「スイッチオンしないといけない時に、なぁなぁにやってしまったところがある。常にプレッシャーをかけられていない」。確かにこの午後、松島のキックでエリアを獲った直後に味方が反則を犯すシーンもあった。ジンバブエ人のジャーナリストを父に持つプロアスリートは、優しさと厳しさを兼備する。

 引き続き国際舞台での躍動が期待されるが、本人のフォーカスは別なところにある。サンゴリアスを「優勝できるチームにする」のが、いまの目標だ。

 レギュラーシーズンは残り5試合。目下12チーム中3位のチームにあって、ハイパフォーマンスを結果に繋げたい。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

【ハイライト動画】松島幸太朗の技が光るも…18点差の逆転劇
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