ルガルは今年1月のシルクロードステークス(GⅢ、京都・芝1200m)で2着に3馬身差を付ける圧勝で一気に注目を集め、続く高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)では1番人気に推された。しかし、そこでマッドクールから1秒2も離された10着に大敗。大きく評価を落としたが、レース後に左橈側手根骨と左第3手根骨の骨折が判明して休養に入り、今回のスプリンターズステークスは約半年ぶりの実戦だった。
ルガルの杉山調教師は、「ぎりぎり(スプリンターズステークスに)間に合った」と述べたが、放牧先の牧場やトレセンでもじっくりと乗り込んできっちりと仕上げた。西村騎手には「今の中山ではある程度前に付けないと勝ち負けできないから、まずゲートをしっかり出してくれ」とオーダーしていたという。
同調教師の注文に応え、3番手キープから早めのタイミングで勝負に出た西村騎手の積極性が見事ならば、ハイペースの流れを乗り切ってゴールまで粘ったルガルの走りも素晴らしいのひと言。高いポテンシャルを持つトップホースを骨折休養明けのため、ひと叩きしてからと検討段階でスルーした筆者の軽率さを恥じ入るばかりである。
インコースの前目を進んだ2着のトウシンマカオ、4着のママコチャは力を出し切った印象だが、良いポジションを取れずに直線で外へ進路をとる距離損があった3着ナムラクレアは上がり最速(3ハロン33秒2で、ルガルより1秒0速い)を記録しているだけに、もったいない敗戦となった。ちなみにナムラクレアのスプリントGⅠ成績はこれで〔0・2・2・1〕となった。
1番人気に推されながら7着に敗れたサトノレーヴはゲートで後手を踏んだのが痛かった。初のGⅠ出走だけにその後のペースは激流で、スタートで狂った歯車が終いの伸びを欠く要因となったような印象が強い。5歳にしてまだ10戦というキャリアを見れば、まだこれからの伸びしろがありそうで、まだ見限るのは早計だ。
プレビュー記事で主軸に推したマッドクールは、6番手という好位置を取りながら、直線に入るとすぐ手応えがいっぱいになってしまった。手綱をとった坂井瑠星騎手は、「流れが速く、追走に手一杯になってしまった」とコメントしているが、レース展開ひとつで好走も大敗もあるタイプだけに、こちらも今後マークしておくことが必要だろう。
文●三好達彦
【関連記事】【名馬列伝】「グレード制導入」の変革時代に現れた”最強マイラー”ニホンピロウイナー。短距離路線の先駆者が新時代の扉を開いた
ルガルの杉山調教師は、「ぎりぎり(スプリンターズステークスに)間に合った」と述べたが、放牧先の牧場やトレセンでもじっくりと乗り込んできっちりと仕上げた。西村騎手には「今の中山ではある程度前に付けないと勝ち負けできないから、まずゲートをしっかり出してくれ」とオーダーしていたという。
同調教師の注文に応え、3番手キープから早めのタイミングで勝負に出た西村騎手の積極性が見事ならば、ハイペースの流れを乗り切ってゴールまで粘ったルガルの走りも素晴らしいのひと言。高いポテンシャルを持つトップホースを骨折休養明けのため、ひと叩きしてからと検討段階でスルーした筆者の軽率さを恥じ入るばかりである。
インコースの前目を進んだ2着のトウシンマカオ、4着のママコチャは力を出し切った印象だが、良いポジションを取れずに直線で外へ進路をとる距離損があった3着ナムラクレアは上がり最速(3ハロン33秒2で、ルガルより1秒0速い)を記録しているだけに、もったいない敗戦となった。ちなみにナムラクレアのスプリントGⅠ成績はこれで〔0・2・2・1〕となった。
1番人気に推されながら7着に敗れたサトノレーヴはゲートで後手を踏んだのが痛かった。初のGⅠ出走だけにその後のペースは激流で、スタートで狂った歯車が終いの伸びを欠く要因となったような印象が強い。5歳にしてまだ10戦というキャリアを見れば、まだこれからの伸びしろがありそうで、まだ見限るのは早計だ。
プレビュー記事で主軸に推したマッドクールは、6番手という好位置を取りながら、直線に入るとすぐ手応えがいっぱいになってしまった。手綱をとった坂井瑠星騎手は、「流れが速く、追走に手一杯になってしまった」とコメントしているが、レース展開ひとつで好走も大敗もあるタイプだけに、こちらも今後マークしておくことが必要だろう。
文●三好達彦
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