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フィギュア世界王者が今季解禁された“バックフリップ”を披露して優勝も、カナダスケート連盟が異議「競技中はアリか、ナシか?」

THE DIGEST編集部

2024.10.29

カナダ大会FSで後方宙返りをしたマリニン。着地を決めると会場からは大きな歓声が上がった。(C)Getty Images

カナダ大会FSで後方宙返りをしたマリニン。着地を決めると会場からは大きな歓声が上がった。(C)Getty Images

 ところが、このバックフリップには異議が唱えられているようだ。カナダスケート連盟の公式SNSが、このシーンに注目。「競技中のバックフリップは、アリかナシか?」と綴り、一歩間違えれば大怪我をするリスクがある危険と隣合わせの技を敢行したマリニンの演技を疑問視。フォロワーに是非を問いかけると、同連盟のコメント欄は「まったく問題ない」「美しいバックフリップだわ」「子供たちが真似してケガしたらどうする」「非常に危険。ハラハラして見てられない」など、賛否が分かれている。

 昨シーズンまで、このバックフリップは競技会での使用は禁止されており、演じれば2ポイントの減点が下されていた。しかし、2024年の欧州選手権でフランスのアダム・シャオ・イム・ファが禁止されているバックフリップをあえて演じたことが、大きな波紋を呼んだ。減点覚悟で繰り出した技について同選手は当時、試合後の会見で「減点されることは分かっていました。だけど、この技を再び競技に戻して、このスポーツをもっとプッシュしたかったんだ」と答え、フィギュアスケートの新たな可能性を模索するためだと訴えた。

 彼の振付師ブノワ・リショーも「アダムは常に新しいことに挑戦し、このスポーツを進化させたいと思っている」と理解を示していた。当時は堂々とルールを無視したアダムの行為には批判的な意見も挙がったようだが、そのチャレンジ精神には好意的な声も少なからず寄せられたという。
 
 そしてISUは今年、米ラスベガスで開かれた総会で禁止技だった『バックフリップ』を今季から解禁する方針を発表。「2024-25年シーズンからは後方宙返りをした選手は、もうペナルティーを受けることはない」と説明している。

 バックフリップもひとつのバリエーションとして許可された今季のフィギュアスケート。ルールの範囲内で演じたマリニンにまったくの否はないが、危険な技であることに変わりはない。ゆえに、周囲からの理解を得るにはまだまだ時間がかかるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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