ここで、昨年の最優秀2歳牡馬で、ダートG1を3勝しているフィアースネス(牡3歳/米・T.プレッチャー厩舎)、ケンタッキーダービー2着などG1レースで上位争いを続けるシエラレオーネ(牡3歳/米・C.ブラウン厩舎)という地元の強豪を抑えてトップ評価を与えられているのが、引退レースの今回が初ダートとなるアイルランド調教馬のシティオブトロイ(牡3歳/愛・A.オブライエン厩舎)である。
今年の英ダービーをはじめ、芝のG1を4勝して欧州のトップ・オブ・トップの1頭とされるシティオブトロイ。欧州馬が本レースを最後に勝ってから30年が過ぎ、世界中のビッグレースを勝ちまくっている天才トレーナー、エイダン・オブライエンをしてもいまだ勝利を挙げられていない。
そうした状況のなか、名伯楽が未踏の境地に踏み込むにあたって白羽の矢を立てられた格好である。そして出走を決断するにいたったのには、父が米三冠馬のジャスティファイ(Justify)であるという血統面の後押しもあったと思われる。英国のサウスウェル競馬場のダートコースで予行演習を積んできたというシティオブトロイがどんなレースを見せるのか、この点も大きな注目ポイントだ。
【BCターフ】
BCクラシックのひとつ前、第7競走として行なわれるのが「ターフ」(芝2400m)。ここでもウィリアムヒル社の単勝オッズを参照してみよう(10月29日現在。左端の数字は人気)。
第7競走「BCターフ」
1. レベルスロマンス(英) 4.00倍
2. ルクセンブルク(愛) 6.00倍
―――――――――――――――――
6. シャフリヤール(日) 13.00倍
8. ローシャムパーク(日) 26.00倍
2021年のダービー馬であるのはもちろん、UAEのドバイシーマクラシック(GⅠ)で優勝(22年)、2着(24年)と良績を残しているシャフリヤール(牡6歳/栗東・藤原英昭厩舎)。GⅡ・GⅢを各1勝し、今年の大阪杯(GⅠ)での2着が光るローシャムパーク(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)。特にシャフリヤールはJRAプールではかなりの人気になりそうだが、欧米での評価は必ずしも高いとは言えない。それには理由があって、本レースは欧州からの遠征馬の独壇場となってきたからだ。
有力候補であるレベルスロマンス(せん6歳/英・C.アップルビー厩舎)は、一昨年の本レースの勝ち馬。欧州の中長距離G1を6勝しており、今年のドバイシーマクラシックでシャフリヤールを2馬身差の2着に降したのが、この馬である。昨年の成績は低調だったが、復活を確かなものとした本馬が本命視されるのは当然のことである。
それに対するのが、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師が満を持して送り込んで来たルクセンブルク(牡5歳)である。本馬は2021年から今年までG1を4年連続で制している強豪。本年の秋は欧州での出走を自重し、本レースに照準を絞っての参戦だと言われる。勝負がかりと見ていいだろう。
この強豪2頭に日本馬、とりわけ名匠・藤原英昭調教師が自信を持って送り込み、海外での実績を持つシャフリヤールがどこまで迫れるかが見どころになる(後編に続く)。
文●三好達彦
「日本の競馬ファンのアイドル」藤田菜七子元騎手の電撃引退に英紙が異例特集! 恩師が明かした「引退届を泣きながら書いていた」に衝撃隠せず
今年の英ダービーをはじめ、芝のG1を4勝して欧州のトップ・オブ・トップの1頭とされるシティオブトロイ。欧州馬が本レースを最後に勝ってから30年が過ぎ、世界中のビッグレースを勝ちまくっている天才トレーナー、エイダン・オブライエンをしてもいまだ勝利を挙げられていない。
そうした状況のなか、名伯楽が未踏の境地に踏み込むにあたって白羽の矢を立てられた格好である。そして出走を決断するにいたったのには、父が米三冠馬のジャスティファイ(Justify)であるという血統面の後押しもあったと思われる。英国のサウスウェル競馬場のダートコースで予行演習を積んできたというシティオブトロイがどんなレースを見せるのか、この点も大きな注目ポイントだ。
【BCターフ】
BCクラシックのひとつ前、第7競走として行なわれるのが「ターフ」(芝2400m)。ここでもウィリアムヒル社の単勝オッズを参照してみよう(10月29日現在。左端の数字は人気)。
第7競走「BCターフ」
1. レベルスロマンス(英) 4.00倍
2. ルクセンブルク(愛) 6.00倍
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6. シャフリヤール(日) 13.00倍
8. ローシャムパーク(日) 26.00倍
2021年のダービー馬であるのはもちろん、UAEのドバイシーマクラシック(GⅠ)で優勝(22年)、2着(24年)と良績を残しているシャフリヤール(牡6歳/栗東・藤原英昭厩舎)。GⅡ・GⅢを各1勝し、今年の大阪杯(GⅠ)での2着が光るローシャムパーク(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)。特にシャフリヤールはJRAプールではかなりの人気になりそうだが、欧米での評価は必ずしも高いとは言えない。それには理由があって、本レースは欧州からの遠征馬の独壇場となってきたからだ。
有力候補であるレベルスロマンス(せん6歳/英・C.アップルビー厩舎)は、一昨年の本レースの勝ち馬。欧州の中長距離G1を6勝しており、今年のドバイシーマクラシックでシャフリヤールを2馬身差の2着に降したのが、この馬である。昨年の成績は低調だったが、復活を確かなものとした本馬が本命視されるのは当然のことである。
それに対するのが、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師が満を持して送り込んで来たルクセンブルク(牡5歳)である。本馬は2021年から今年までG1を4年連続で制している強豪。本年の秋は欧州での出走を自重し、本レースに照準を絞っての参戦だと言われる。勝負がかりと見ていいだろう。
この強豪2頭に日本馬、とりわけ名匠・藤原英昭調教師が自信を持って送り込み、海外での実績を持つシャフリヤールがどこまで迫れるかが見どころになる(後編に続く)。
文●三好達彦
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