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ラグビー

「同期にも言われました。直した方がいいって」V13帝京大を支えた主将・青木恵斗、リーダーとして己に向き合った日々「濃い、1年だったと思います」【大学ラグビー】

向風見也

2025.01.16

 リーダーは日々、進歩を促された。

 下級生の頃は対戦校のラフプレーに激高することもあったが、クラブを引っ張る立場とあって自制を心がけるようになった。
 
 決勝戦でぶつかる早大には夏の練習試合、秋の関東大学対抗戦Aで敗れ、その間、同級生とストレートに意見を交わした。

 ここでも、見つめ直したのは己にまつわる問題だった。

「僕はどちらかと言うと、感情が出るタイプ。今年も対抗戦の最初のほう(早大戦の約2か月前)までそういったところが出ていた。主将としてそういうことをしてしまったら、多分、チームは不安定になる。同期にもそう言われました。直した方がいい、って。僕が同期の好きなところは、思っていることは——それが嫌なことであっても——ちゃんと言ってくれるところです」

 帝京大の主将がどうあるべきかを定め、自分がそのようにあるためにどうあるべきかを整理してきた。

「どう直したか…。それは、わからないですけど、結構、楽観的に考えるようにしました。もともとは心配性で、どんどん自分で考え込んでしまうんですけど、『(万事を)大丈夫』と捉えるようにしたら、(落ち着いて)全体が見えるようになりました」

 心身に負荷をかけ、本質的な逞しさを紡いできた。

 脳内に霧がかかった時は、その様子を仲間に見せまいと母の美登利さんに電話で相談。実家で直径が「スマホの縦くらい」のハンバーグを食べさせてくれていた母には、小学1年で藤沢ラグビースクールに入ってからずっと応援してもらっていた。

 周囲の力も借りて頂点に立った。これからは日本代表としてワールドカップに出るのを「夢」でなく「目標」として生きる。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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