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格闘技・プロレス

「先輩とはぶつかり合えないスターダムにしたくない」STARS同門対決を実現させた後輩・羽南の想いは葉月に届くのか?

橋本宗洋

2025.04.27

飯田沙耶(左)と羽南は、先輩タッグから王座を防衛できるか。写真:橋本宗洋

飯田沙耶(左)と羽南は、先輩タッグから王座を防衛できるか。写真:橋本宗洋

 葉月にしてみれば、後輩たちへの態度が厳しいのは愛があるからこそ。不器用だから柔らかい言い方ができないのだと記者会見で語っている。羽南からの批判については、自分をSTARSから追い出したいのだろうと発言した。
 

 確かに、こういうシチュエーションでは「敗者ユニット追放マッチ」のような流れが自然に思える。だが羽南はそうしたくなかった。どちらかを追い出せば済む話ではなく、とことんぶつかり合って理解し合うことが目的なのだ。ましてSTARSはスターダムの本隊、正規軍という立場。揉めたらやめる、やめさせるという簡単な結論にはしたくない。

「たとえば白川(未奈)さんが退団することになって、日本での最後の試合はユニット関係なく、みんなで送り出したかった。麻優さん、葉月さん、コグマさんたちは出てこなかったけど、私はリングで見送りました」

 岩谷たちは、正規軍だからこそ安易に他のユニットと交わらないスタンスなのかもしれない。逆に羽南は正規軍=スターダム全体の代表として、リング上の出来事に関わりたかった。そういう立場のSTARSが、簡単に分裂するわけにはいかない。

 4月13日の浜松大会では欠場者が相次ぎ、急なカード変更で羽南と中野たむが対戦することになった。初のシングル対決だ。「私、もってるなと思いました」と羽南は言う。羽南が葉月に苦言を呈した時、それを真っ先に評価したのがたむだった。

「たむさんはスターダムへの愛が頭抜けてますね。試合ではボコボコにされて負けたんですけど、それでも愛を感じました。一つひとつの攻撃に雑さがないというか、丁寧に扱ってくれてるのを感じたと言ったら変ですけど」

 レスラーは技や所作を通して互いの気持ちを伝え合うことができる。たむは羽南と闘うことで、タイトルマッチに向けてのエールを送った。そして葉月も、リング上のコミュニケーションに長けている選手。ことさらに派手な技、危険な技を使うわけではなく、絶妙の間合いで試合という“作品”を作り上げていく。

「葉月さんはプロレスがうまい」と羽南も言う。そうであれば、試合の中で会話が成り立つだろう。

「私はとにかく全力で、まっすぐ葉月さんにぶつかります」

 試合において全力でぶつかり合うというのは、本音で会話するということだ。試合の勝ち負けだけでなく、葉月と会話をしてSTARSを、スターダムをよくしたい。そんな役目を担うことは喜びでもある。たむに「いま苦しいでしょ」と言われた羽南は「楽しいです。楽しんでSTARSとスターダムを変えます」と返している。

 試合に向けた公開練習では、飯田とともにテンコジ(天山広吉&小島聡)からタッグの極意を学んだ。「先輩が相手だからって遠慮したら逆に失礼だからね」という天山の言葉に、羽南は頷いた。「先輩とはぶつかり合えないスターダムにしたくない」から、羽南はタイトルマッチの相手に葉月とコグマを選んだのだ。

取材・文●橋本宗洋
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