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eスポーツ

eスポーツってそもそも何だ?市場の始まりとデジタル時代を生きるアスリートの姿を解説

龍田優貴

2020.09.15

2019年12月1日、東京・品川で行われた「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE グランドファイナル」

2019年12月1日、東京・品川で行われた「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE グランドファイナル」

 日本の場合だと、CyberZとエイベックス・エンタテインメントの共催による「RAGE」がメジャーだ。そのほか、2019年より毎日新聞社とサードウェーブが共同で企画中の「全国高校eスポーツ選手権」。全国規模を対象とした「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」など、様々なフォーマットに基づいて大規模なイベントが執り行われている。

 より具体例を示すなら、リアルスポーツのテニスと対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』(以下、ストV)のプロシーンを並べて見ると共通項が分かりやすい。どちらの選手も年間を通して各地の大会に赴き、成績に応じたポイントが与えられる。テニスなら「ATPワールドツアー」、『ストV』なら「CAPCOM Pro Tour」に参加し、上位大会への布石としてポイントを稼ぐ。リアルスポーツとeスポーツは一見違うように見えて、競技シーンの構造、そして選手がかける労力は似通っている。
 
 モニターを一心に見つめ、手汗を物ともせずコントローラー(もしくはマウス)を握りこむ。己の指さばきに魂を注ぎ込むプロゲーマーは、まさにデジタル時代の先端を走るアスリートだ。彼らはeスポーツ大会で名声と賞金を勝ち取るため、一般的なプロスポーツ選手と同様、普段の生活スケジュールに練習が組み込まれている。加えて企業から公式に資金提供を受ける以上、プロゲーマーは勝利を渇望するだけでなく、競技シーンを生きる選手として誠意ある振る舞いを常に心がけて日々を過ごしている。

 対戦格闘ゲームを主戦場とするプロゲーマーは、同好の士を集めた上で、ゲーム機やゲーミングPCが置かれているeスポーツ施設やコミュニティスペースを貸し切り、情報収集や意見交換を兼ねて対戦会を開いているようだ。「一人で部屋に籠もり、誰とも離さずゲームに没頭する」というのはステレオタイプな考え方。もちろん実態はまちまちだが、実際のところは「強者で賑わうコミュニティへ加わり、そこで集めた情報を自らのプレースタイルの糧とする」傾向にある。
 

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