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eスポーツ

”ゲーム大国”のはずが…日本のeスポーツ市場はなぜ遅れているのか?答えは「ゲーム文化の違い」にあり

龍田優貴

2020.10.12

韓国のPCバン店内の様子(https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=449 より引用)

韓国のPCバン店内の様子(https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=449 より引用)

 PCゲームを取り巻く事情に加えて語っておくべきは、日本の法制度。国内でeスポーツ元年と謳われた2018年を境に、高額賞金を取り扱うeスポーツイベントが既存の法制度に抵触するとして、ゲーム業界を越えてさまざまな専門家から意見が寄せられていた。何かと議論の巻き起こるeスポーツと法律の関わり合いについては、「日本eスポーツ連合」(以下、JeSU)やプラットフォーマー、有志の働きがけが功を奏し、以前より幾らかは緩和化したように思われる。

 特に不当景品類及び不当表示防止法(景表法)、刑法、そして風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(風営法)はネックであったものの、このあたりは「日本eスポーツ連合」(以下、JeSU)が公共団体と話し合いを進めたことで、一つずつハードルは取り除かれているようだ。既に解決策が見えていた景表法と刑法のほか、風営法に関しても2020年9月にガイドラインが策定され、法律面に対する取り組みは堅調に進んでいる。
 
 ここまで”国内eスポーツ市場が遅れを取っている理由”を、PCゲームユーザーと海外におけるゲーム文化、法制度の観点から追ってきた。とはいえ、立ち上がりの遅れた日本も昨今になってeスポーツ市場が隆盛しつつあるのは確か。目に見える動きとして、eスポーツ関連施設の新規オープンが目立つ。気軽に立ち寄ってPCゲームを遊べるカフェ、お酒や食事と一緒にeスポーツ観戦も楽しめるバーラウンジ、さらには60歳以上のシルバー層を対象に捉えたeスポーツ教室など、上は北海道、下は沖縄まで、全国各地に特色ある施設が点在。「esports 銀座 studio」(東京都・銀座)、「REDEE」(大阪府・吹田)といった複合施設・大型施設の新設も話題を集めた。

 eスポーツイベントと言えは都内を含め、都市圏で開かれるものが主流とされがちだが、各地方を拠点に行われるローカルイベントも特筆すべきポイント。人気ぶりによっては数百人単位の参加者が押し寄せることもあり、地域密着型の催しとして十分に地方創生を果たしている。
 

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