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【インタビュー】”LJL 2020 Summer Split”を制した『V3 Esports』のPazとRainaを直撃!今シーズンの振り返りとWCSへの意気込みを訊く

THE DIGEST編集部

2020.09.25

V3 Esports vs DetonatioN Focus Me 5戦目のバンピック

V3 Esports vs DetonatioN Focus Me 5戦目のバンピック

――では、いろんな方が気になっているであろうスワップ戦術について訊かせてください。具体的に戦略として取り入れようと考えたのはいつ頃からだったんですか?

Paz 最初は、Challengers Korea(韓国の2部リーグ)のチームが積極的にやっていて、朝起きたら「これやってみない?」みたいなことを言われました。最初、僕たちはチーム経験が豊富な選手が少ないので、微妙なんじゃないかと思っていたんですけどね。

――スワップ戦術はゲームとしての理解度もかなり求められる戦術ですよね。

Paz それもありますし、レーンのスワップを相手も合わせてきた時にどうするか、自分たちもちゃんと対応しないといけないので、大丈夫かなと思いました。でもやってみたら意外と上手くいったので、「いいじゃん!」という感じでやるようになりましたね。

 最初はEUのチームがスワップ戦術を使っていて、その時は対して関心もなかったんですけど、韓国のチームが取り入れていたのを見て、なら僕たちもやってみようという話になりました。NAとEUはトップレーンやミッドレーンのメタがかなり違うので、参考にできる部分は少なかったんですが、中国と韓国のリーグは凄く参考にしていて、そのリーグで使われるなら、やってみようと。

――キャスター陣の中でも『V3 Esports』は世界のトレンドやメタをより早く、積極的に取り入れていくチームだと評価していました。これに対して何か心がけていることはありますか?

Paz スワップ戦術はコーチが持ってきてくれたものだったんですが、チャンピオンに関してはランクで「このチャンピオン強かったよ」と報告すると「じゃあやってみるか」という流れになって試してみたりします。もちろん、メタの最先端だろうと使わない場合もあるんですけど、そこは個人の自由だと思っています。

――プレーオフのSG戦、初戦にスワップ戦術を出してきて、そこから一度も見せることなく最終戦まで戦っていました。それは、ここぞという時に出す戦術として意識していたのでしょうか? それとも、バンピックの中ではスワップを念頭に入れつつも、結果使うことはなかったといった感じでしたか?

Paz 出来そうならやろうかという感じですかね。スワップ戦術って無理してやるようなものではないですし、相手からしたらバンピックが凄く難しくなるというのが大きいと思います。

 例えば、ファイナルの1試合目のサイオンはスワップしませんでしたし、5戦目はスワップしました。相手は、常にスワップされるかもしれないと考えた上で、バンピックを組まなければいけませんし、レベル1の動きも変わってきます。そういう点でも、毎回スワップするよりは、スワップする、しないを挟んでいった方が相手にプレッシャーを与えられるのではと思います。

――相手に選択肢を与えて対応をより難しくさせるということですね。ファイナルの最終戦では、スワップできると思ってアフェリオスを取ったとArcher選手がインタビューで話していました。その時は、チーム内で「これはスワップでいける」という雰囲気があったんですか?

Paz もちろん、普通にレーン戦をしていてもよかったので、「任せるよー」といった雰囲気で話をしていました。それで、じゃあスワップしようかという形に落ち着いたので、魅せることになりましたね。

Raina そうですね。相手のADCであるジンが見えて、これだったらスワップも刺さりそうだなという話になって、どうする、どうするという感じで相談しつつ、4体目のチャンピオンをピックする時に決めたという流れでした。
 
――個人的にも気になっていた部分だったので、非常に面白かったです。次は、少し逸れた話になるのですが、Raina選手がReddit(海外の掲示板)で話題なことってご存じでしょうか?「RainaとBugiは本物の選手だ!」と盛り上がっているスレッドがあるくらいなんです。

Raina ええっ!そんなのあるんだ(笑)。

――legit(マジ、本物)といった英語のスラングが使われるくらいです。今年1年を通じてRaina選手の評価がどんどん上がってきているのですが、ご自身では成長を感じている部分はありますか? Paz選手も先ほど、Raina選手の評価について語られていましたね。

Raina そうですね……去年よりは絶対に上手くなったと思います。でも、そんな本物みたいな評価は……(笑)。最近、ちょっと自分が過大評価されすぎだなとは思います。「そんなに凄いやつじゃないのに」みたいな。例えば自分は、「V3のこのポジションが僕じゃなくても、このメンバーなら優勝はできた」と思っているくらいだし、むしろ僕は評価されない方が嬉しいので(笑)。「誰こいつ?」みたいな感じから、「おおっ!こいつこんなプレー出来るんだ」みたいな事ができる方が気持ちいい。正直、そんな評価してほしくないです(笑)。

――LJLのキャスター陣の方もRaina選手の評価は凄く高いですよね。

Raina ちょっとプレッシャーにはなりますけど、やっぱり言われる分は嬉しいです。でもちょっと褒め過ぎという感じはあります(笑)。

――なるほど(笑)。1年間のシーズンを通して、具体的に成長したと感じられる部分はどんな所ですか?

Raina まず、レーニングの質は上がったと思います。考え方も変わりました。あとは、全体を通してキャッチされる回数は減ったかなと思います。今でもキャッチされることは多いかなと思いますが、気を付けられるところは意識できるようになったと思います。

――言われてみれば、そういった印象はありますね。

Raina やっぱりそういう印象あったんですね(笑)。「あ、まずい。視界がない」と思って焦ってリスクのある場所に行ってしまったりすることが多かったのですが、今はそこを我慢できるようになってきたかなと。今でもたまに行っちゃうんですけど。

――余裕をもってプレーできるようになったということですね。シーズン中のRaina選手と言えば、スレッシュやタム・ケンチといった味方を守るのが得意なチャンピオンが印象的でした。プレーオフに入ってからはノーチラス、セト、パンテオン、レオナといった自らが仕掛けていくようなチャンピオンを中心に使っていましたが、この変化についてどうお考えですか?

Raina スレッシュに関しては、シーズン中にアフェリオスがOPチャンピオンで僕たちはアフェリオスを使用する機会が多かったので、アフェリオス、スレッシュと2体セットで取っていたからというイメージがあります。その時スレッシュは、安定したピックという評価でとりあえずピックしておけばいいという感じに近かったと思います。

 プレースタイルや使うチャンピオンが変わったというよりかは、その時のチームやメタに合わせてピックが変わってきているんだと思います。セトに関しては実装された当初全くサポートとして使われていませんでしたが、だんだんサポートでも使われるようになって、評価も高くなっていったころから触り始めて、気が付いたら得意チャンピオンになっていたという感じですね。
 

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