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海外サッカー

デ・ラ・フエンテ監督の「クラブで出ているなら代表でも」発言が物議! ヤマル酷使問題が再び焦点に

下村正幸

2025.10.07

18歳ながら、バルサとスペイン代表で中軸を担うヤマル。大事に扱いたいものだ。(C)Getty Images

18歳ながら、バルサとスペイン代表で中軸を担うヤマル。大事に扱いたいものだ。(C)Getty Images

 予想されていた火種が再び燃え上がった。

 バルセロナのハンジ・フリック監督が「選手を大切に扱っているとは思えない」と怒りを露わにしたラミネ・ヤマルの酷使問題が、スペイン代表10月シリーズのメンバー発表をきっかけに再燃したのだ。

 批判の矛先は、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督に向けられた。同監督は、「フリックは代表監督の経験者なのに、共感がないことに驚いた」と反論。しかし、発表直後に届いたバルサの医療報告書を受けて、ヤマルの招集は取り消された。スペインサッカー連盟(RFEF)はバルサに対して報告書の提出遅れを指摘。クラブと連盟の溝が再び浮き彫りとなった。

 9月シリーズでの出来事も物議を醸している。初戦のブルガリア戦で痛みを抱えたヤマルは、第2戦のトルコ戦前にRFEFのドクターから消炎注射を受けていたという。試合は6点差の楽勝にもかかわらず、73分までヤマルを起用。フリックが憤るのも無理はない。それでもデ・ラ・フエンテ監督は「彼は痛みを訴えなかった」と強調。EURO2024を制した名将だが、今回の起用法をめぐっては苦しい立場に立たされている。
 
 これまで同監督を擁護してきたマドリード紙『AS』のホアキン・マロト記者でさえ、「代表では選手の安全が最優先という“建前”を繰り返すべきではない」と批判した。デ・ラ・フエンテは「クラブでプレーできるなら代表でもできるはず」と主張するが、メンバー発表2日前のCLパリSG戦でヤマルはフル出場を果たしたものの、試合後は足を引きずって退場している。

 RFEF関係者の中には「交代時の表情から痛みはなさそうだった」と主張する声もあるが、ジャーナリストのヘマ・エレーロ氏は「18歳の若者が限界を正しく判断できないのは当然。そんな中、“クラブで出ているから選出”という安易な発想は危険だ」と警鐘を鳴らす。

 混乱の余波はヤマルにも及ぶ。マドリード方面では「本人の意思で辞退した」といった憶測まで飛び交った。『オンダ・セロ』の実況アナ、アルフレッド・マルティネスは嘆く。「対話の欠如が混乱を招き、関係者が批判され、選手の評判だけが傷つく。誰も得をしない争いだ」

文●下村正幸

【動画】CL2節 バルセロナ対パリSGハイライト
 
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