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海外サッカー

「ピッチ上で語るリーダー」3位浮上のアトレティコ、復調の原動力は生え抜きのキャプテンとかつての絶対的エース

下村正幸

2025.12.30

アトレティコの頼れるベテラン、コケ(右)とグリーズマン(左)。(C)Getty Images

アトレティコの頼れるベテラン、コケ(右)とグリーズマン(左)。(C)Getty Images

 シーズン開幕直後は歯車が噛み合わず、停滞感が漂っていたアトレティコ・マドリー。しかし、時間の経過とともにチームは巻き返しを見せ、上位争いに復帰しつつある(17節終了時点で3位)。その原動力となっているのが、意外にも「過去の象徴」と見なされかけていた2人、コケとアントワーヌ・グリーズマンだ。

 昨シーズン後半、アトレティコは失速した。その戦犯とされたのが、長年チームを支えてきたこの2人である。コケは怪我の影響もあり、パブロ・バリオスやロドリゴ・デ・パウル(現インテル・マイアミ)に定位置を譲る試合が増加。グリーズマンも精彩を欠き、自慢の得点力は鳴りを潜めた。

 近年アトレティコは、積極的な大型補強によって世代交代を推し進めている。若く、身体能力に優れた選手が次々と加入し、チームは大きく姿を変えつつある。そうした流れの中で、親友同士でもあるコケとグリーズマンが揃って退団し、MLSへ新天地を求める可能性すら現実味を帯びて語られていた。

 そのため今年6月に相次いで発表された両者の契約延長には、少なからず疑問の声が上がった。グリーズマンは2027年まで、コケは2026年までの延長。果たして、この判断は正しかったのか。高齢化を避け、未来へ舵を切るべきではないのか――そんな議論が彼らの周囲を取り巻いていた。
 
 だが、現在の2人は、その疑念にピッチ上で明確な答を示している。戦術アナリストのアレハンドロ・アロージョ氏は、彼らの存在を「チームを支える屋台骨」に例え、こう語った。「アトレティコは大胆な新陳代謝を進めている。しかし、だからこそ彼らを手放すわけにはいかなかった。家を改築する際に、梁を外すわけにはいかないのと同じだ」

 とりわけ目覚ましい活躍を見せているのが、キャプテンのコケだ。17節のジローナ戦では、豪快なミドルシュートで先制点を奪取。これがアトレティコでの通算50ゴール目となった。それは突然の覚醒ではなく、今季を通じた安定したパフォーマンスの延長線上にあった。

 スペイン紙『AS』のアトレティコ番記者、フランシスコ・ハビエル・ディアス氏は、今季のコケをこう評価する。「チームで最も高いレベルのパフォーマンスを見せている。彼の努力、高いプロ意識、そしてクラブへの愛情に、フットボールが報いている。コケはファンの感情を体現するレジェンドで、声を荒らげることなくプレーで語るリーダーだ」

 コケがチームにもたらしている最大の価値は「落ち着き」だ。フリージャーナリストのミゲル・キンターナ氏は、チャンピオンズリーグのインテル戦で途中出場から流れを変えたコケのプレーをこう分析する。「ビルドアップを円滑にし、中盤に的確な判断をもたらした。彼がピッチに立つ1分1分は、他の選手以上の価値を生み出している」
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