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「舞台から去る時が来た」41歳C・ロナウドへ「深い感謝の念を込めて」母国識者が懇願「伝説は、第一線を退いたからといって消えるものではない」【W杯】

THE DIGEST編集部

2026.06.19

W杯のDRコンゴ戦で低調だったポルトガル代表のC・ロナウド。母国の識者が“デリケートな問題”に言及した。(C)Getty Images

W杯のDRコンゴ戦で低調だったポルトガル代表のC・ロナウド。母国の識者が“デリケートな問題”に言及した。(C)Getty Images

 もはやクリスティアーノ・ロナウドは、第一線で戦える選手ではないようだ。

 北中米ワールドカップ・グループKの初戦でポルトガル代表がDRコンゴ代表と対戦し、1-1で引き分けた。開始早々の6分にMFジョアン・ネベス(パリSG)のゴールで先制しながら、前半終了間際の45+5分に失点。最後まで2点目を奪えなかった。

 やり玉に挙げられているのは41歳のC・ロナウドだ。ドリブルでサイドを突破する若き日のようなウイングではなく、フィニッシャー役に転身して久しい背番号7が、攻撃で全く機能しなかった。

 そんなC・ロナウドに対して愛情と敬意を込めて代表から退くよう呼びかけたのが、ヌーノ・サライバ氏。元ジャーナリストで、C・ロナウドがプロデビューを飾ったスポルティングの元広報部長、現在はスポルティングのコンサルを務めている人物だ。

 ポルトガル紙『A BOLA』に寄せたコラムでサライバ氏は、ポルトガル代表の引き分けスタートを嘆き、「DRコンゴ戦の結果やパフォーマンスだけでなく、何よりも代表チームが明確なビジョンも、対応力も、この規模の舞台で求められるリーダーシップも欠いたまま大会に臨んだという印象が強かった」と戦前からの不安要素を示した。

「ロベルト・マルティネス監督の選手選考が、大会前から疑問視されていた。サイドバックとセンターバックの明らかなバランスの崩れ、守備的MFとCBをこなせるジョアン・パリーニャのような特定の局面で特別な能力を発揮する選手を選ばなかったことは、当然ながら疑問を投げかけるものだった。問題はこれらの疑問が初戦で払拭できなかったこと。それどころか、むしろ疑念は強まった」

 代表チームに不安のまなざしを向けたサライバ氏は、「結果以上に懸念されるのは、ピッチ上で何が起こっているのかを理解できていなかった点だ。試合開始のホイッスルが鳴る前から、90分間を通して、そして試合終了後でさえ、試合状況を把握できていない様子が見られた。チームが目に見える修正なしに同じ過ちを繰り返すと、問題は状況的なものではなく、構造的なものとなる」と、鋭く指摘した。

 続けて大会終了後にマルティネス監督が退任するという報道にも触れ、「W杯に全力を注ぐべき時期に、監督の将来についての議論が巻き起こった。安定と集中力ではなく騒乱。事態は複雑化した。これほど大規模で特別な大会に臨むに当たって、騒乱は決してプラスにはならない」と、不安要素を強調している。

 本題はここからだ。

 
「さらにデリケートな問題がある。クリスティアーノ・ロナウドだ。私は深い感謝の念を込めてこの文章を書いている。クリスティアーノは、私にとってポルトガル史上最高のサッカー選手であり、世界サッカー史上最高の選手のひとり。私たちに数々のタイトル、記録、忘れられない瞬間、これまでのどの世代も成し遂げられなかった国際的な存在感を与えてくれた。国全体が彼に恩義を感じている」としながらも、「だからこそ、一時代の終わりを目の当たりにするのは辛い」と、長年代表を牽引してきたC・ロナウドの低調ぶりに触れた。

「41歳になったクリスティアーノは、もはや31歳の頃のような選手ではない。そうであるはずがないのだ。時間という打ち負かすことのできない敵は、誰にでも影響を与える。どんなに偉大な選手でもだ。そして、20年間明白だったこと――代表チームの主要な存在としての彼の地位――は、もはやそうではなくなった」

 数々の栄誉を手にしてきたが、もはや41歳。前回のカタール大会でも同じような指摘が噴出していた。衰えは確実に忍び寄っている。カタール大会のグループステージ第2節ウルグアイ戦から準々決勝のモロッコ戦までの4試合、EURO2024の計5試合、そして今大会のDRコンゴ戦を合わせた計10試合で、ゴールを決められていない。6度出場したEUROと、6度目の出場となったW杯で、これだけの期間ゴールから遠ざかっているのはキャリア初だ。

「第一の責任者はクリスティアーノ本人だ。受け入れ難いかもしれないが、代表引退の時期が来たことを認めようとしなかった。第二の責任者はマルティネス監督だ。従順な態度を取り、クリスティアーノを外す素振りを全く示さなかった。クリスティアーノがピッチにいることで引き起こされる心理的、戦術的なマイナス面は依然として顕著だ。多くの選手がクリスティアーノを過剰に求め、多くのプレーが彼を中心に構築されてしまい、チームは自発性を完全に失っている」

 実際、W杯前に行なわれたチリ代表との親善試合でC・ロナウドが先発した前半は0-0。背番号7がハーフタイムにベンチに退いた後半、チームに躍動感が生まれてボールがよく動き、ゴンサロ・ゲデスとブルーノ・フェルナンデスがゴールを決めた。

「クリスティアーノを軽視しているわけではない。競争の原理を認識しているだけだ。さらに、3つ目の責任者もいる。クリスティアーノを取り巻く人々だ。過去二十数年間のように、いまでもひとりで代表チームを背負えるという“誤った認識”をクリスティアーノに植え付け続けている人々の責任だ」

 このように話を続けてきたサライバ氏は、最後に愛情と敬意のこもったメッセージを発した。

「クリスティアーノは、もはや何かを証明する必要はない。ポルトガル国民に対しても、サッカー界に対しても、そして自分自身に対しても。彼の歴史的地位は永遠に揺るがない。舞台に立った時と同じ偉大さをもって、その舞台から去る時が来たのだ。チームメイト、代表チーム、そして彼を育てた偉大なクラブ、スポルティングCPへの敬意を示すため、彼を崇拝する何千人もの子どもたちに模範を示すため、そして彼を敬愛して育った何百万ものポルトガル国民に敬意を示すために、そうすべきなのだ。伝説は、第一線を退いたからといって消えるものではない。むしろその逆だ。別れを告げる適切なタイミングを見極めることで、伝説はさらに偉大な存在になる」

構成●THE DIGEST編集部

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