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海外サッカー

「このままでは移籍は失敗に終わる」久保建英をベンチに置くエメリ采配に専門メディアが我慢の限界。終盤起用は「悪趣味な冗談」

THE DIGEST編集部

2020.10.05

5試合連続での途中出場となった久保。その起用をめぐる論争は過熱している。(C)Getty Images

5試合連続での途中出場となった久保。その起用をめぐる論争は過熱している。(C)Getty Images

 10月3日(現地時間)、ラ・リーガ第5節でビジャレアルがアトレティコ・マドリーと対戦した一戦は、スコアレスドローに終わった。

 強豪から勝点1を奪ったこのアウェーマッチで、注目の久保建英は、“やはり”ベンチスタートとなり、出番が訪れたのは85分。過去4試合で最も短い出場時間の中で、2度危険なボールロストを犯すなど、良いところなく試合終了を迎えている。

 試合ごとに「久保スタメン待望論」が高まる中でも、起用に関するスタンスを曲げようとしないウナイ・エメリ監督。19歳の日本人に対して「慣れるための途中の段階にある」と見ている指揮官は、アトレティコ戦後にもその姿勢を変えていないことを示したと『MARCA』が伝えた。

「彼はまだ若く、経験を積んでいるところだ。昨季も1部リーグでプレーしたが、今季はさらに一歩先へ踏み出してほしいと思っている。全ては、プロセスの中のひとつだ」

 経験を積ませるためには、少しでも長くプレーさせる必要があるのでは? という考え方もあるだろうが、今節に関しては、スコアレスでの緊迫した試合展開により、いつも以上に久保の起用には慎重になったようだ。
 
「今日は選手交代が簡単ではなかった。11人の選手がうまく繋がっていたからだ。とても難しかったものの、それでも勝利のために、久保とサム(チュクウェゼ)を送り出した。彼らは今後もハードワークを続け、成熟していかなければならない」

 この指揮官の采配については、チームが結果を残したということで、理解を示す者がいる一方で、やはり疑問や不満を抱く者は少なくない。なかでも、久保の所有クラブであるレアル・マドリーを専門に扱うサイト『Defensa Central』は、アラベス戦後と同様、エメリ監督を強く糾弾している。

「アトレティコ戦の開始をピッチ上で迎える欲望を抱いていた久保は、またしてもベンチに追いやられた。200万ユーロ以上のレンタル料でビジャレアルに迎え入れられ、ここで大きな役割を果たすと期待されたものの、彼の出番は常に試合の終盤にしかない。

 ビジャレアルに、久保より才能を持った選手がいないのは明らかだ。経験値では優っても、彼のような規格外の選手はいない。チームで最高の選手に居場所を見つけられないとは、理解に窮することである」

 エメリ監督の“頑固さ”が「目標を達成できずに解任されたパリ・サンジェルマンやアーセナルでも良く思われなかった」とも訴える同メディアは、久保の終盤起用を「悪趣味な冗談」と酷評し、「これは警告である。このままでは、今回の移籍は絶対的な失敗に終わる」と綴っている。

 今や試合ごとに、その起用をめぐる論争の的となっている久保。彼はしばらくビジャレアルを離れ、日本代表の一員としてカメルーン(9日)、コートジボワール戦(13日)に備えることとなる。ここで気分一新、多くの出番を得て、エメリ監督の考えを覆させられるほどの輝きを放つことができるかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部
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