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日本代表

南野拓実を“コウチーニョ役”に指名?危機のリバプールに英国メディアが「原点回帰」要求!

THE DIGEST編集部

2020.10.21

「ファブ・フォー」の再結成を訴える地元メディアが指名したのが、ジョッダと南野だ。(C)Getty Images

「ファブ・フォー」の再結成を訴える地元メディアが指名したのが、ジョッダと南野だ。(C)Getty Images

 10月21日(現地時間)にチャンピオンズ・リーグ(CL)の初戦(対アヤックス)を迎えるリバプールだが、17日に行なわれたエバートン戦(2-2)でCBフィルジル・ファン・ダイクが負傷離脱したことで、守備面に大きな不安を抱えることとなってしまった。

 靭帯の損傷が判明し、手術を行なうことも発表された29歳のオランダ代表は、「より強くなって帰ってくる」とメッセージを残しているが、現地の報道では、チームからの離脱期間は8か月にもおよぶかもしれないという。

 彼の穴を埋めるため、リバプールが冬の移籍市場で新たなCBを獲得するという噂も流れており、ナポリのカリドゥ・クリバリ、RBライプツィヒのダヨ・ウパメカノらの名前が挙がっている。

 とはいえ、当分は現有戦力での戦いを余儀なくされるわけで、ユルゲン・クロップ監督がいかにファン・ダイクの不在をカバーする陣容や戦法を見つけられるかが注目されているが、幾つかの地元メディアは、よりオフェンシブなスタイルの構築を提案。そして、それが南野拓実の起用にも影響を与えるという。

 リバプールの専門メディア『LIVERPOOL.COM』は、「将来の成功を確実にするために、過去のフォーメーションを再考する時が来た」として、現在の4-3-3から4-2-3-1への移行を薦める。これは2017-18シーズンにクロップ監督が採用していたものの、18-19シーズンを最後に使われていない。

 4-2-3-1であれば、リバプール自慢の強力3トップに加え、南野かディオゴ・ジョッタを同時に前線で起用できる。そして南野の場合、その守備での貢献度の高さも活かされるということだ。

 こうした“原点回帰”を求めるのは、日刊紙『Mirror』も同様で、「クロップ率いるリバプールに訪れた最大の脅威」であるファン・ダイク離脱の衝撃を打ち消す方法として、17-18シーズンに猛威を振るった「ファブ・フォー」の再結成を訴えている。

「ファブ・フォー」とは、リバプールが生んだ伝説的ロックグループ、ザ・ビートルズのことで、最近では英国王室でも使われた。しかしアンフィールドでは、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、そしてフィリッペ・コウチーニョの4人を指す。

 3シーズン前、このカルテットがメンバーに名を連ねた試合で、リバプールは3得点が6試合、4得点が2試合、5得点が2試合、そして7得点が2試合という凄まじい得点力をチームにもたらした。そしてCLのマリボル戦とスパルタク・モスクワ戦での計14得点のうち、「ファブ・フォー」は実に12点を挙げている。
 
 しかし、彼らの共演期間は短かった。コウチーニョがかねてから希望していたバルセロナ移籍が18年1月に決定したからだ。ちなみに同じ時期、サウサンプトンからファン・ダイクがリバプールに到来し、そこから不安定だったチームの守備は向上し、翌シーズン以降の欧州制覇、プレミア優勝に邁進していった。

 そのカルテットの再現を望む理由として、同メディアは「攻撃こそ最大の防御である」と綴り、また現在のチームがファン・ダイクを欠いたとはいえ、依然として優れた守備と強力な中盤を擁していることを挙げている。

 そして「ファブ・フォー」再結成のための“コウチーニョ役”には「ナビ・ケイタ、カーティス・ジョーンズ、ジェルダン・シャキリ、アレックス・チェンバレンは十分に能力を備えている」としながらも、「この変更が実現した場合、本当に利益を得るのは南野とジョッタだろう」と綴っている。

「無駄な金を使わないクロップ監督が計5000万ポンド(約69億円)を費やして獲得した2人の主な仕事は、攻撃を補うことだ。彼らには前線の後ろでプレーする力もあり、それはこの先、非常に貴重なものとなる。現在は不調のフィルミーノも、後ろに“コウチーニョ”がいれば、かつての自分を取り戻せるだろう。可能性は無限だ」

「CBの獲得に高い金をかけるより、攻撃力を増すことで相手を押し込む方がリバプールの未来の成功に繋がる」と同メディアは訴えているが、果たしてクロップ監督の判断やいかに? そして南野に大きく進化を遂げるチャンスが訪れるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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