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日本代表

“ライバル”ジョッタの評価上昇で南野拓実は分が悪い!?「快適なスタートが必要」と擁護するメディアも

THE DIGEST編集部

2020.10.26

(C)Getty Images

(C)Getty Images

 10月24日(現地時間)に行なわれたプレミアリーグ第6節のシェフィールド・ユナイテッド戦、リバプールの南野拓実は試合終盤にロベルト・フィルミーノに代わって出場した。

 南野が7分間のプレーにとどまったこの一戦でヒーローとなったのは、41分に同点ゴールを挙げたフィルミーノ、そしてもうひとり、64分にサディオ・マネのアシストを受けて決勝ヘッド弾を叩き込んだディオゴ・ジョッタだった。

 ジョッダはこの試合、ユルゲン・クロップ監督がこれまでの4-3-3に代わって採用した4-2-3-1システムの2列目として、フィルミーノ、マネとともにスタメンに名を連ねた(ワントップはモハメド・サラー)。

 前半は相手のインテンシティの高いプレーに苦しみ、序盤で先制点を献上するなど、攻守で問題を抱えたリバプールだったが、後半は持ち前の攻撃力が爆発。「マージーサイド・ダービー」で大怪我を負った守備の要フィルジル・ファン・ダイクの穴を埋めるための新システムに可能性を見出せたことは、チームにとって非常に大きかった。

 この試合を受けて、英国のサッカー誌『FourFourTwo』のウェブ版は、「ジョッタが新たな『ファブ・フォー』のひとりに名乗り」と報じた。

「ファブ・フォー」とは、リバプールが生んだ歴史的ロックバンド「ザ・ビートルズ」の愛称だが、サッカー界では、2017-18シーズンに圧倒的な攻撃力と得点力で猛威を振るったサラー、マネ、フィルミーノ、そしてフィリッペ・コウチーニョの4人のことを指す。

 18年1月にコウチーニョがバルセロナに移籍したことで、すぐにこのカルテットは解散、以降は「フロントスリー」がこのクラブの顔となってきたが、ファン・ダイク離脱を受け、「攻撃こそ最大の防御」とばかりに、「ファブ・フォー」復活を望む声は少なくなかった。

『FourFourTwo』は、ジョッタが「素早く、身体があり、強く、空中でも、地面でも良いプレーができる」「左サイドだけでなく、どこでもプレーできる(シェフィールド・U戦では2列目右でプレー)」という指揮官の言葉を引用し、その総合的な能力の高さ、初の組み合わせでもスムーズに機能した適応力の高さを強調している。
 
 日刊紙『Daily Telegraph』は、「ジョッタが新たなシステムの一部になることで、勝つための様々なオプションを見つけることができる」と、このポルトガル代表を称賛。「ファブ・フォー」について、「4人目の『ビートルズ』として悪い人材ではない」と評した。

 加入から5週間ほどでチームに溶け込み、結果を残して早くも指揮官のファーストチョイスとなりつつあるジョッタに対し、「加入から10か月後、プレミアリーグでは先発出場2試合で無得点」(『Daily Telegraph』)の南野は、現時点でかなり分が悪いかもしれない。

 しかし一方で、リバプールの専門メディア『ROUSING THE KOP』は、まだ“答え”を出すのは早いとし、「南野には“快適”なスタートが必要だ」と訴えている。

「今季、彼が先発出場したのはフルメンバーが揃っていないカラバオカップだけで、それ以外で30分以上出場したのはプレミアリーグ第4節のアストン・ビラ戦だけ。つまり彼には、1試合の中でチームに慣れるための時間が与えられていない。

 フィルミーノの代役として“偽9番”の役割をほぼ独占的に担っている南野は、短いプレー時間の中では自信を欠いている。特に後半から出場する時には、プレーに迷いが見える。彼が落ち着きを失うと、チームのプレーの流れを妨げてしまう」

 そう南野の現状を紹介する同メディアは、27日のCL・ミッティラン戦でのスタメン入りをリバプールに進言する。

「南野がチームとリズムを合わせて90分間過ごせれば、彼が“迷子”になっているように見える時代は終わるはずだ」

構成●THE DIGEST編集部

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