11月３日（現地時間）に行なわれたチャンピオンズ・リーグ（CL）で、アタランタを敵地で５-０と一蹴してみせたリバプール。驚きの攻撃力を披露したプレミアリーグ王者の中で、最も輝きを放ったのは、ハットトリックを達成したディオゴ・ジョッタだった。

　今季、ウォルバーハンプトンから4100万ポンド（約55億円）で加入した23歳のポルトガル代表FWは、加入間もない９月28日のプレミアリーグ第３節アーセナル戦で初得点を記録すると、６節シェフィールド・ユナイテッド戦、CLミッティラン戦、そして７節ウェストハム戦と、３試合続けてゴールを挙げた。

　そして、アタランタ戦での衝撃の３発。４試合連続で決勝ゴールを挙げるという大活躍を見せたジョッタだが、特筆すべきは、これら得点を挙げた５試合のうち、先発出場は２試合しかないということ。出場全10試合の中でも、スタメン入りしたのは半分の５試合だ。

　つまり、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノによる「フロントスリー」のバックアップのひとりとして、まだ“様子見”の段階にあったのが、周囲の予想をはるかに超える驚くべきスピードで適応、力を発揮したということだ。
  　今では、フィルミーノをベンチに追いやらんとしている驚異のアタッカー。「息をのむようなスタートダッシュを切り、すでに序列では南野拓実やディボック・オリギを抜き去った」と綴る英国の日刊紙『Daily Mirror』は、ジョッタがなぜこれほどの活躍を見せているのかを、元イングランド代表DFリオ・ファーディナンドのコメントを素に分析している。

　これは、彼が『BT Sport』の中で語ったもので、「ジョッタは昨季、ウォルバーハンプトンでも速く、積極的なプレーを見せていた。狭くタイトな状況でトレーニングを積むことで自信が生まれる。ボールは変わったタイミング、角度で入り、それをワンタッチで捌く。そうして、全てが速くなっていった」と説明した。

マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドは、ジョッタがリバプールのスピードに慣れるどころか、逆に「ハードルを上げた」ことで「恐ろしく速いサッカー」を生み、これがアタランタ戦の大勝に繋がったと見ており、このポルトガル人がいかにチームに大きな影響を与えているかを指摘している。