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海外サッカー

クリスタル・パレス戦での南野拓実について、現地専門メディアが「初ゴール」以上に評価したのは?

THE DIGEST編集部

2020.12.20

待望のプレミア初ゴールを奪った南野。これでプレッシャーもある程度軽くなったことだろう。(C)Getty Images

待望のプレミア初ゴールを奪った南野。これでプレッシャーもある程度軽くなったことだろう。(C)Getty Images

 12月19日のプレミアリーグ第14節クリスタル・パレス戦で、南野拓実は開始3分にゴール前での冷静な判断と持ち前の技術によって、いきなりゴールネットを揺らした。

 これは、7-0というアウェーでの歴史的な大勝を飾った一戦でゴールラッシュの口火を切る一撃となったという意味でも価値あるものだが、彼にとっては今年1月のリバプール加入以来、ついに果たした同リーグ初ゴールで、忘れられないものとなったことだろう。

 この序盤のプレーで勢いに乗った南野は、その後も効果的なプレーを多く披露。前線左サイドを主戦場としながらも、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノとのポジションチェンジもスムーズに行ない、攻守で幾多もの脅威をホームチームに与えてみせた。

 結果を残して90分間プレーした南野に、多くの現地メディアが高評価を与えたが、リバプールの専門メディア『Rousing The Kop』もそのひとつで、「南野はゴール以上の成果を上げた」と題した記事において、25歳の日本人にとっての、この試合の意味の大きさを強調している。

 725万ポンド(約10億円)でオーストリアのレッドブル・ザルツブルクから加入して約11か月、チームに深みを増すことを期待されながら、実際にはそれに応えられず、とりわけプレミアリーグでは有意義な影響を与えることができずにきた南野だが、「土曜日(19日)に全ては変わった」という。
 
 同メディアは、「単にゴールを挙げただけでなく、初めて彼がサイドにおいてフィットしていることが感じられた。これまでは理論上だけの話だったのが、実際にそれが見られたことは大きかった」と、これまでとの違いを指摘し、さらに続ける。

「散発的な輝きを見せることはあっても、それが長く持続するのを見たことがなかった。しかし土曜日の試合では、自然に前線でポジションを移行し、相手DFラインの裏に走り込み、スペースを突き、そして守備では“狂ったように”プレスを仕掛けた。1月に我々が期待していたことを、南野はこの試合で全て見せた」

「リバプールのFWならみんながやるべきことを、90分間やり遂げ、それが“場違い”なものに見えなかったことが重要」と綴る同メディアは、南野がリバプールにフィットした選手であるとしながらも、これは始まりでしかなく、今後も彼のプレーを継続的に見る必要があると主張する。

 そして記事は、「11か月かかったが、南野は自分がやれることを証明した。あとは上がっていくだけである」と綴られている。

 怪我人続出、過密日程の中で出場機会を獲得し、猛練習の成果を確実に出して評価と信頼を高めていき、今回、プレミア初ゴールというひとつの高みに到達した南野。これが今後の彼にいかなる影響を与えるのかを、期待を持って見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部
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