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海外サッカー

「日韓戦の意味は知っている」国内で非難集中の日本戦開催に韓国代表の智将ベントも困惑!? 「どう説得したらいいか…」

THE DIGEST編集部

2021.03.16

ソン・フンミン(7番)をはじめ、来日が危ぶまれているメンバーも少なくない韓国代表だが、森保ジャパンとの一戦には並々ならぬ思いがあるようだ。 (C) Getty Images

ソン・フンミン(7番)をはじめ、来日が危ぶまれているメンバーも少なくない韓国代表だが、森保ジャパンとの一戦には並々ならぬ思いがあるようだ。 (C) Getty Images

 来る3月25日に、横浜の日産スタジアムで開催されるサッカーの日韓戦が、小さくない波紋を広げている。

 実現となれば、親善試合では約10年ぶり。熱戦は必至だ。しかしながら、韓国国内では森保ジャパンと試合をすることへの異論は少なくない。カタールのワールドカップ予選が一部地域で延期になったように、いまだ世界的に新型コロナウイルスの影響が広がるなかで、敵地に赴くリスクを不安視しているのだ。

 日刊紙『朝鮮日報』をはじめとする複数の韓国メディアによれば、同代表では、昨年11月に行なった欧州遠征でクラスターが発生したこともあり、韓国大統領府のホームページには日韓戦の中止を要求する国民請願が登場。すでに世論は日本遠征を反対する方に傾いているというのだ。

 しかし、逆風が吹き荒れるなかで、韓国サッカー協会は15日に日本遠征へのメンバーを発表。ソン・フンミン(トッテナム)やファン・ヒチャン(RBライプツィヒ)、イ・ガンイン(バレンシア)といった欧州で活躍する選手たちを含めて、精鋭24名を揃えた。

 そのメンバー発表会見の場で、「日韓戦の意味や、今回の代表戦の意味はよく分かっている」と口を開いたのは、“タイガー軍団(韓国代表の愛称)”を率いるポルトガル人のパウロ・ベントだ。

【動画】FIFAの年間最優秀ゴールに選出!「韓国の至宝」ソン・フンミンが決めた衝撃の「70メートル独走弾」はこちら!
 昨年に代表活動が1回しか行なえなかったことをふまえたベント監督は、「今回のマッチメイクは様々な状況を総合的に検討して決定したものだ。試合を行えることが確認されたから進められたんだ」と強調。さらに、こう持論を語っている。

「今回の遠征期間はかなり短いものになる。全ての選手が一緒に練習できるのも試合の前日ぐらいしかない。コロナ禍の状況や一部の負傷者など困難ではあったが、我々ができる最善を尽くしてリストを作り、試合をやろうとしている。良い姿を見せられるように選手たちも準備してきてほしい」

 会見で世論の懸念に対する意見を問われたベント監督は、「サッカーはコロナ禍でも全世界で行なわれている。そのほかの分野もそうだが、社会は防疫が可能な範囲で動き続けなければならない。サッカーもそうだ。今月は各国で相当数のAマッチが行なわれると聞いている」と発言。周囲の喧騒に困惑しながらも自らの考えを強調した。

「正直、ファンをどう説得するべきかはわからない。ただ、6月のワールドカップ2次予選に向けて、我々はこの日韓戦を通しても最大限チームを調整しなければならない。もちろん、何よりも感染対策が重要になる。昨年11月よりも安全に試合をできるように徹底的に準備する。限られたなかでも、努力を重ねていかなければいけない状況下にあるんだ。それが私の使命でもある」

 韓国国内での雲行きは怪しくなる一方だが、韓国サッカー協会は万全を期して、森保ジャパンとの“ビッグゲーム”に臨むようだ。

構成●THE DIGEST編集部
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