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海外サッカー

「お前は家を売れ! ガールフレンドは実家に帰せ!」名将ファーガソン、“恐威”のマネジメントを元マンU戦士が告白!

THE DIGEST編集部

2021.04.25

“若かりし頃”のファーガソンは選手たちとの交わりが晩年よりも深く、周囲から恐れられた。(C) Getty Images

“若かりし頃”のファーガソンは選手たちとの交わりが晩年よりも深く、周囲から恐れられた。(C) Getty Images

 フットボール史に残る名将、その辣腕ぶりが明らかになった。

 今回紹介する名将とはほかでもない、アレックス・ファーガソンそのひとである。1986年11月、当時イングランドのトップリーグで低迷していたマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任すると、規律を徹底的に重んじた独自のチーム作りで、瞬く間に常勝軍団へと変貌を遂げさせた。“赤い悪魔”の権威を世界的なものへと復活させた張本人だ。

 卓越した勝負勘を利した采配とマンマネジメントで、マンチェスター・Uの黄金期を創出。しかしその一方で、少しでも不満に抱く出来事があれば、公然の場でも顔を紅潮させて激怒する姿から、一部で「ヘアドライヤー」とも揶揄され、周囲から恐れられた。

 そんなファーガソンの逸話は枚挙に暇がないが、今回新たなエピソードが追加された。証言者は、マンチェスター・Uで名将の薫陶を受けた元イングランド代表MF、リー・シャープである。

 1988年6月にファーガソンの熱烈な誘いを受け、地元クラブのトーキー・ユナイテッドから練習生として赤い悪魔の一員となったシャープは、メキメキと頭角を現わし、瞬く間にレギュラークラスへと駆け上がった。

 だが、当時47歳のファーガソンは血気盛ん。それゆえ選手に対する指導もかなりの熱量だったという。英紙『The Sun』の取材に応じたシャープは、「何度も俺たちはこっぴどく叱られたよ。一番ひどかったのはリバプール戦の後だ」と回想する。

【動画】名将ファーガソンと愛弟子C・ロナウドの感動のハグシーンはこちら
「アンフィールドでの試合に敗れた時はとにかく怒られた。俺はある敵地でのリバプール戦の前に、クラブの合宿所を抜け出して、彼女と一緒に過ごいていたんだ。『お前はまだ若すぎる』と言ったファーガソンの反対を押し切ってね。

 家も買って、彼女をバーミンガムの実家からわざわざ呼び寄せた。そんな最高な状態でアンフィールドに行ったらボコボコにされてしまって……。ミスを繰り返した俺はもちろん大目玉だよ。彼は『いいか! お前はいますぐ家を売り払って、彼女を追い出して、プレーに集中しろ!』って怒鳴られたのさ」

 その後、本当に家を引き払い、愛するガールフレンドを実家に帰したというシャープ。だが、ファーガソンへの想いは「感謝、これに尽きる」。

「ファーガソンは最初に契約を交わした時から本当によく面倒を見てくれたし、思いやりもあった。8年間も一緒に仕事をして、振り返ってみれば冷酷な扱いも受けたが、彼は仕事熱心で、試合と僕らに関してのさまざまなことを本当に把握していた。俺は多くを学んだし、彼の下でプレーできたことは嬉しく思うね」

 監督時代には選手との衝突も絶えなかったファーガソンだが、どこか昔気質で温かみのある父親のような振る舞いに救われた選手も、少なくなかっただろう。

構成●THE DIGEST編集部
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